TwitterのUserStreamが8/16以降に停止-人気Twitterアプリの対応状況は?

Twitterが2018年8月16日に大きな変換点を迎えます。
数ヶ月前から予告していたことですが、この日以降にサードパーティーに提供されていたUserStream APIが停止されます。そうなれば、公式以外のTwitterアプリで使われてきたUserStream(ユーザーストリーム)の機能が使えなくなります。

UserStream(ユーザーストリーム)は、タイムラインの情報をリアルタイムで取得し表示するものです。アプリによって呼び方は変わるかもしれませんが、更新ボタンを押すことなく新しいツイートがタイムラインにどんどん表示されて流れていく形式のことです。

厳密にはユーザーストリームのような機能がまったく使えなくなるわけではない(新しいものに置き換えできる)のですが、多額の費用が必要となり、一般の開発者ではまず無理というレベルです。
また、同時にダイレクトメッセージ(DM)についても変更があり、対応が必要な状態です。

Twitterとしては「UserStreamが使われているのは月間のアクティブなアプリのうち1%しかない」としているのですが、少なくとも日本で人気のTwitterアプリの多くはこの機能を実装しており、使っている方も多いです。

この廃止については延期されたこともあるのですが、最終的に8月16日に廃止と発表があり、その日が近づいています。

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UserStream廃止のスケジュール

Twitterの開発者向けフォーラムにて、UserStream廃止までのスケジュールが言及されています。

  • Starting August 16, 2018 through August 20, 2018, we will turn off User Streams and Site Streams for one hour every six hours (1 hour off, 5 hours on) starting at 16:00 UTC on the 16th.
  • Starting August 20, 2018 through August 21, 2018, we will turn off User Streams and Site Streams for two hours every six hours (2 hours off, 4 hours on) starting at 00:00 UTC on the 20th.
  • Starting August 22, 2018 through August 23, 2018, we will turn off User Streams and Site Streams for three hours every six hours (3 hours off, 3 hours on) starting at 00:00 UTC on the 22nd.
  • Finally at 16:00 UTC on August 23rd, the endpoints will be shut off entirely.

Details and what to expect from the API deprecations this week on August 16, 2018 – Announcements – Twitter Developers

これによるとUserStreamの停止は8月16日にすべてが止まるわけではなく、段階的に使えない時間が増えていくとのことです。

2018年8月16日から2018年8月20日まで
8月16日16:00 UTC(日本時間8月17日午前1時)から開始して、6時間ごとに1時間ユーザーストリームとサイトストリームがオフ(1時間オフ、5時間オン)
2018年8月20日から2018年8月21日まで
8月20日0時(日本時間8月20日9時)から開始して6時間ごとに2時間オフ(2時間オフ、4時間オン)
2018年8月22日から2018年8月23日まで
8月22日0時(日本時間22日9時)から開始して6時間ごとに3時間オフ(3時間オフ、3時間オン)
8月23日
8月23日16時(日本時間8月24日午前1時)完全に遮断

Androidの人気Twitterアプリの対応状況

これらの廃止を受けて、Twitterアプリは主にユーザーストリーム機能とダイレクトメッセージ機能について改修の必要に迫られています。

ほぼすべてのアプリがユーザーストリーム機能の廃止というアップデートを行っているもしくは予定していますが、ダイレクトメッセージについてはアプリによって異なります。とりあえず人気のアプリについて8月14日現在の対応状況を調べてみました。

なお、調査対象は主に「Twitterアプリ、何使ってる?アンケート2018」で上位になったアプリです。

Tweecha(ついーちゃ)、Txiicha

Tweecha、Txiichaともにユーザーストリームもダイレクトメッセージも使えなくなります。
今後、UserStreamへの接続とDM機能を排除したバージョンがリリース予定です。

8月16日(米国時間)からTwitterのUserSteamと旧DM APIが廃止され、以下の機能がご利用頂けなくなります – Txiicha – Help – Help & Feedback

sinProject

ついっとぺーん(TwitPane)

ついっとぺーんはユーザーストリームについては利用不可能に、DMについては新しい方式に対応予定。

twitcle plus

twitcle plusではユーザーストリーム廃止、DMは新しいAPIに対応予定。対応アップデートは8月16日に行われる予定。

SobaCha/MateCha

ユーザーストリーム廃止に伴いリアルタイム更新・通知・DMが利用不可能になります。SobaCha/MateChaどちらも同じです。

追記:新DM対応、UserStream廃止版を8/16にリリース予定となりました。

twicca

不明。というかそもそもユーザーストリーム機能がないしアプリの最終更新日は2015年6月4日だし公式アカウントはそもそもアップデート情報しかツイートしてない。(作者の個人カウントは生きていますが、この件について言及しているかは未確認。)

ツイタマ

無料のツイタマ for AndroidはUserStream APIを使用していないので影響ありませんが、有料のツイタマ+ for Androidにおいてはタイムラインのストリーミングやリアルタイム通知が止まります。ただし検索のストリーミングだけは別のAPIに変更しているので使うことができます。

DMについては無料版有料版ともに新しい方式に対応したバージョンがすでに公開されています。

Flamingo

対応不明。
なお、すでにユーザー数の上限に達しているためPlayストアでの表示は終了しています。既存ユーザーのためのアップデートは継続して行われています。

びよーんったー

ユーザーストリーム機能を廃止したバージョンが既にリリースされています。

ツイッターするやつ

UserStream終了とともにすべてのサポートが終了します。Playストアでの公開はまだ続くようですが、「ツイッターするやつ」シリーズの幕引きが宣言されています。

Yukari

とくに対応アップデートがあるわけでもなく、機能が使えなくなる(通信エラーが表示される)ようです。そもそもUserStream前提で設計されたアプリなので今後使うのは厳しいと作者も言っています。

Talon for Twitter

ユーザーストリーム(Talon Pull)機能が廃止され、新しいDMに対応したバージョンがリリース済み。

Justaway

Playストアでの公開を終了。

その他

Janetter
不明。音沙汰なし。
beeter for Twitter
不明。音沙汰なし。
Twidere
作者が忙しすぎてTwidereにかける時間がないと嘆いてる。
Tweetings for Twitter
ストリーミング機能を廃したバージョンを公開。
Fenix
ストリーミング機能を廃したバージョンを公開。

新方式のDMに対応するアプリ

ユーザーストリームについてはどのアプリも廃止で仕方ないのですが、ダイレクトメッセージの対応については様々です。新方式のDMへの対応を発表しているアプリは以下の通りです。

  • ついっとぺーん
  • twitcle plus
  • ツイタマ
  • Talon for Twitter
  • SobaCha

今後はどうなるか

UserStreamが使えなくなったからと言って、公式以外のアプリでTwitterができなくなるわけではありません。更新ボタンを押してタイムラインを更新するという方式は残ります。ただしこちらも(ホームタイムラインの場合)15分に15回といった回数制限があります。

APIのリミットについては多くのアプリで確認可能

15分に15回、単純に1分1回と考えるとそれで充分だという人もいるとは思いますが、暇でTwitterしかやることがないと意外とすぐに達するものです。そもそもUserStreamで流れてくるタイムラインと更新ボタンで表示するタイムラインでは体験が異なるので難しいところではあります。

アプリによっては、UserStreamではなく、定期的(1分や5分ごと)に自動で更新する機能があるものもあります。こういった機能で擬似的にリアルタイム更新とするアプリも出てくるかもしれません。

どうしてもUserStreamを使いたい場合はWeb版のTweetdeckを使うのも手です。ただ、やはりアプリほどの快適さはありません。

これまでUserStream機能を使っていた人にとっては、今回の廃止はTwitterを離れるきっかけになってしまうかもしれませんね。個人的にはスマホではUserStreamは使ってなかったのですが、PCではディスプレイの隅にWindows版Janetterを置いて常時タイムラインを流していました。UserStreamが使えなくなると、意識的にタイムラインを見に行く(更新する)しないとならないので面倒と感じそうです。Tweetdeckだけ表示できるブラウザでもないか、探そうかと思っています。

まとめ

UserStreamの廃止はどうにもなりませんが、ダイレクトメッセージの新方式対応も大変なようです。開発を終了しているアプリも多く、今後のTwitter界が自由の翼を失っていくようです。

2015年にTwitterはCEOが開発者に対し謝罪し、悪くなった関係をリセットしたいと発言していました。しかしその後も開発者に歩み寄ったようなことは何もありませんでした。アンケートやグループDMなど新しい機能はありましたが、外部の開発者へは提供されませんでした。

そして今回のUserStream廃止(新しいものはかなりのコストがかかる)です。

Twitterにとってお金を払わない外部開発者はもう邪魔なだけなのかもしれませんね。悲しいことですが。多くの思いを切り捨てたTwitterは、これからどこに進むのでしょうか。


先日のコミックマーケットC94にて、複数のTwitterアプリ作者がTwitterを悼む同人誌が頒布されました。後日PDF版の公開も予定されているそうですが、BOOTHにて冊子版を購入することもできます。

こちらもぜひ読んでおきたいところです。

追記:PDF版出てました。

追記2:UserStream停止に続き、さらなる制限が待ち構えています。終わりは、これから始まるのかもしれません。

参考情報

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

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スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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