AQUOS sense plus SH-M07 レビュー:持ちやすく使いやすいけど目立たない、地味系優等生なスマホ

シャープから6月に発売されたSIMフリースマホ「AQUOS sense plus SH-M07」を2週間と少し使ってきたので、レビューをお届けします。

このスマートフォン、いわゆるスマホオタクにはあまり目を向けられないかもしれませんが、実は使いやすくて優秀です。目立たないけどそのわりに地味にしっかり売れて一般層にはヒットしそうな、そんなスマートフォンです。

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AQUOS sense plus SH-M07の概要と評価

AQUOS sense plus SH-M07はシャープ製のSIMフリースマートフォンです。なかなか売れたAQUOS sense liteの後継機であり、「気持ちよさと使いやすさをプラス。」というキャッチフレーズのとおりに性能がプラスされた機種になります。

性能的にはSnapdragon630を搭載し、RAMは3GBでストレージ32GB、バッテリー容量は3100mAhとなっています。できればRAMは4GB欲しかったところですが、十分に使えるミッドレンジのスマホです。

ディスプレイはアスペクト比18:9(2160×1080)のFHD+ですが、カメラはデュアルカメラではなくシングルとなっています。スペックや機能など、特に尖った部分はないのですが、それゆえに使いやすく、悪くないと感じます。そう、めっちゃ惹かれる!欲しい!というようなスマホではないのですが、普通に道具として使う分にはまったく問題なく、地味に良いと感じます。

  • 目立った欠点がない
  • 手によく馴染む持ちやすさ、素直なUIと使いやすさ
  • 道具として気軽に持ち出せる質感
  • おサイフケータイ対応、防水防塵対応
  • 目立つところがない
  • 高級感はない
  • 人に自慢できるほどのものでもない

外観デザインと持ちやすさ

AQUOS sense plus SH-M07の内容物は本体のほか、クイックスタートガイド、ACアダプタ、USBケーブルとシンプルな構成です。イヤホンはありません。

見た目は非常にシンプルで、お世辞にも個性があるとは言えません。ここ1年ほどのトレンドである縦長ディスプレイを搭載しており、前面に指紋センサーがあることくらいでしょうか。

これを実際に持ってみると、おや?と思います。なんだか手に馴染むというか、持ちやすいのです。横幅は71mmで、従来の5インチ端末相当となります。やはりこれくらいが片手操作の限界なのではと思います。

USBはType-Cで、上側にはイヤホンジャックもあります。見た目の高級感こそありませんが、不満点となるものは特に無い無難なものになっています。

背面はプラスチックです。ガラスと違って指紋がつきにくいのがいいですね。人によっては購入感がなくて安っぽいという人もいるかもしれませんが、気兼ねなく使えるとも言えます。

SIMトレイはキャップで開ける方式。SIMピン要らずで開け締めできるので、私はこのタイプのほうが好きですね。ただ本機のキャップはちょっと取り外しにくいです。もうちょっとがんばってほしかった。

カメラ部分は出っ張っていますが、机の上に置いて操作してもガタガタすることはありません。

スピーカーは端末上部にある1つで、モノラルスピーカーです。縦向きで持っているときはいいのですが、横向きにしてゲームをやったり動画を見ると、音が片方からだけ聞こえるので違和感を感じるかもしれません。

スペックとベンチマーク

簡単なスペックは以下のとおりです。より詳しいものは公式サイトをご覧ください。

OS Android 8.0
CPU Qualcomm® Snapdragon™ 630(SDM630)
2.2GHz(クアッドコア)+1.8GHz(クアッドコア) オクタコア
RAM 3GB
ストレージ 32GB
外部メモリ microSDXC (最大400GBまで)
ディスプレイ 5.5インチ 2,160×1,080 (FHD+)
カメラ 背面:1,640万画素 前面:800万画素
バッテリー 3,100mAh
対応急速充電規格 Quick Charge 3.0 / USB Power Delivery
サイズ 約151×71×8.9 mm
重量 約157g
ネットワーク
3G
Band1(2.0GHz)/ Band2(1.9GHz)/ Band4(1.7GHz)/ Band5(850MHz)/ Band6(800MHz)/ Band8(900MHz)/ Band19(800MHz)
LTE
Band1(2.0GHz)/ Band2(1.9GHz)/ Band3(1.8GHz)/ Band4(1.7GHz)/ Band5(850MHz)/ Band8(900MHz)/ Band19(800MHz)/ Band26(800MHz)/ Band28(700MHz)/ Band41(2.5GHz)
GSM
850/900/1800/1900MHz
Wi-Fi
IEEE 802.11 a/b/g/n/ac

各種ベンチマーク結果は以下の通り。

他いくつかの端末と合わせてまとめると以下のようになります。

SoC Antutu Geekbench 3DMark
Single Multi Battery
Xperia X Compact Snapdragon 650 96691 1379 3387 2570 878
Huawei nova lite 2 Kirin 659 89093 941 3731 3259 317
AQUOS Sense Plus SH-M07 Snapdragon 630 88787 866 4191 4848 826
Huawei P10 lite Kirin 658 77035 857 3341 3267 414
ZenFone 3 Snapdragon 625 76526 861 4111 2714 464

だいたいXperia X CompactやHuawei nova lite 2と同じようなところにありますね。ミドル~ミドルハイといったところです。Huawei nova lite 2などと比べると価格差が目立ちますが、あれは異常とも思えるくらいなのので、むしろこちらが普通です。

実際の動作はとくに引っかかりもなく、充分に動きます。重めのゲームだと少し処理がキツそうな動きを見せますが、それ以外は普通に動きます。ミドルレンジのスマホに期待する分は、しっかりと働いてくれます。個人的にはこれくらいのスペックがと価格のバランスが一番自分に合っていて好きですね。

これまでのベンチマーク結果は以下のページにまとめています。参考にどうぞ。

意外と優秀なバッテリー

意外だったのがバッテリーのもちの良さです。Geekbench 4によるテストの結果では4848点でした。これは同クラスのスマホの中ではかなり優秀な方に入ります。

けっこう長い間Twitter見てたなー、と思っても意外とバッテリーが減ってなくて驚くことが何度かありました。ただゲームなど処理が重いものをやっているときは相応にバッテリーが減っているので、まぁ使い方次第ですね。

ちなみに充電の面ではQuick Charge 3.0 / USB Power Deliveryの急速充電規格に対応しています。

デュアルではないが悪くないカメラ

AQUOS sense plus SH-M07のメインカメラは約1,640万画素です。最近流行りのデュアルカメラではありませんが、そこそこキレイに撮れます。

素直で使いやすいUI

AQUOS sense plus SH-M07のホーム画面はとてもシンプルで、プリインストールされているアプリも必要最低限です。私が購入したのは楽天モバイルだったので、楽天モバイル独自のアプリがいくつかプリインストールされていしたが、初期化すれば全て消えました。

設定画面も、素のAndroidにいくつか独自の項目を加えただけなので、非常に見やすくわかりやすいです。このあたり、独自に走りすぎて階層や構造がよくわからなく使いにくいUIを採用しているメーカーもありますが、シャープは比較的素直で好ましいです。

シャープならではの機能

シャープ端末に共通で搭載されている便利機能もあります。前面下部に搭載された指紋センサーはホームキーとしても利用でき、なぞるジェスチャーで戻る/履歴キーとしても利用可能。これをオンにするとナビゲーションバーを非表示にできます。画面をより広く使えるので、私も常に非表示にしています。

このほか、画面上部をなぞってスクリーンショットを撮るClip Now、長いウェブページのながら読みに使えるスクロールオート、持ち上げたことを感知して画面が点灯する自動画面点灯、目に優しい色合いにしてくれるリラックスビュー、横から画面を覗かれるのを防ぐのぞき見ブロック、バッテリーを節約する長エネスイッチなど、細かいところで役立つ機能がたくさんあります。地味に便利ですよ。

そのほかの気になったポイント

おサイフケータイ対応

AQUOS sense plus SH-M07はおサイフケータイ対応です。まだまだSIMフリー端末ではおサイフケータイに対応しているものは少ないので、これは差別化できるポイントです。

私も2018年に入ってからは電子マネーを積極的に使うようにしていますが、快適です。おかげでメイン端末の条件に「おサイフケータイ対応」が入りました。AQUOS sense plus SH-M07はそういった人でもちゃんとメインとなれるスマホです。

防水防塵性能

AQUOS sense plus SH-M07の防水性能は「IPX5/IPX8 / IP6X」となっています。IPX5/IPX8は防水性能、IP6Xは防塵性能をあらわします。

IPX5…内径6.3mmの注水ノズルを使用し、約3mの距離から12.5リットル/分の水を最低3分間注水する条件であらゆる方向から噴流を当てても電話機としての機能を有する

IPX8…常温で水道水、かつ静水の水深1.5mのところに電話機を沈め、約30分間放置後に取り出したときに電話機としての機能を有する

IP6X…直径75μm以下の塵埃(じんあい)が入った装置に電話機を8時間入れてかくはんさせ、取り出したときに、電話機の内部に塵埃が侵入しない機能を有する

通常はIP68と、まとめられることも多いのですが、AQUOS sense plus SH-M07では防水性能をIPX5/IPX8と2つ表示しています。基本的に数字が大きいほうが防水性能は高く、その最高値は8です。ただ、IPX6まではかかってくる水滴や噴流に対してのものであり、IPX7とIPX8は水に浸かったときの性能なので微妙に異なります。

また、防水については基本的に真水でのことです。一応スペック上は「お風呂対応:◯」とも書かれていますが、温水などで使用しないでとも書かれているので過信は禁物です。
とはいえ、軽い雨や洗面所でちょっと水がかかったくらいは大丈夫なので、普通に生活している分には安心して使えます。

国民保護情報(Jアラート)対応

「緊急地震速報」「津波警報」に加え、「災害・避難情報」「国民保護情報(Jアラート)」にも対応しています。つい先日も、実際に緊急地震速報が鳴りました。

最大2回のOSバージョンアップ

AQUOS sense plus SH-M07に限らず最近のシャープ端末はみんなそうですが、発売日から2年間、最大2回のOSバージョンアップを約束しています。本機は発売時点でAndroid 8.0ですが、2020年6月まで、最大2回OSバージョンアップが行われる予定です。実際、シャープはほかの端末で積極的にOS2バージョンアップしているので、このあたりも安心できます。

まとめ:目立たないけどしっかりもの

AQUOS sense plus SH-M07は目立って悪いところもなく、とても無難なスマートフォンです。ミドルレンジの十分な性能を持ち、おサイフケータイや防水にも対応、高級感はないが持ちやすく使いやすい筐体とUIを持っています。

カメラがめっちゃキレイだとか、価格が安くてコストパフォマンスがいいだとか、驚くほどのハイスペックだとか、革新的な機能だとか、そういった尖ったものは持っていません。なので先進的なものを求めている層やスマホオタク層、変態端末好きにはウケの良くないスマートフォンだと思います。(まぁ現実を見るとそういったスマホこそ売れていたりするのですが…。)

尖ったものがなく特に目立つものでもありませんが、地味にしっかりやる子といった印象を受けます。ミドルレンジのスマホが合っている自分にはピッタリなのかもしれません。必要なものは揃ってますしね。

欲を言えば、価格がもう少し下がってくれると、嬉しいんですけどね。複数のECサイトやMVNOで販売されているので、自分の環境にあった最安を探してみてください。私は楽天モバイルの機種変更で31,881円で手に入れました。3万円台前半であれば、これは買いだと思います。

AmazonならSIMカードとのセット(契約必須ではない)が狙い目

参考情報

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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