Mode1 GRIP レビュー:幅56mmの細長さだけじゃない!カスタマイズしていく楽しみを感じるスマホ

ピーアップの幅56mmで画面比率22.5:9の握りやすいスマホ「Mode1 GRIP」を購入し、10日ほど使ってみました。なかなか尖った製品なので万人受けするものではありませんが、普通とは違うスマホが欲しい人、2台目として面白いスマホが欲しい人などに向いたスマホです。

実際にしばらく使ってみて感じた良いところ、イマイチなところなどを紹介していきます。

  • 小さくて細長いユニークな筐体、幅56mmが握りやすい
  • スペックは高くないがコンセプトを考えれば必要十分
  • 22.5:9の画面はSNSでの一覧性が高い
  • 普通じゃないのがコレクション欲を刺激する
  • カメラは良くない
  • 音がちょっと難
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概要と外観

Mode1 GRIPはケータイショップ テルル等を運営するピーアップ製のSIMフリースマートフォンです。これまでもMode1シリーズでいくつかのスマホを出していましたが、久々の新端末となります。

mode1GRIPは「グリップ=握る」をコンセプトに開発されており、横幅はわずか56mmとかなりの細さ。

内容物はMode1 GRIP本体の他にマニュアル類と透明なハードケース、USBケーブル、USBケーブルにUSB保護キャップです。ACアダプタやイヤホンは入ってません。

ディスプレイが22.5:9というかなり細長い端末ですが、全体的にみれば小型端末です。縦の長さは普通のスマホよりやや小さいくらいで、左右を削ったイメージですね。

背面はMode1シリーズではおなじみのカーボンテクスチャ。カラーはグレーとホワイトがあり、ホワイトの場合は背面が白で側面がグレーになります。

この背面が好きではない場合は、PDA工房からスキンシールも出ているので、それを貼るのもいいかもしれません。

右側面には音量ボタンと、その下には指紋センサー。

左側面にはSIMスロットと赤い電源ボタン。そう、Mode1 GRIPは電源ボタンと指紋センサーは別々に用意されています。

上側には赤外線があり、下側の角にはストラップホール、丸い穴は左側(ストラップホールのある方)がスピーカーで右側がマイクです。マイクの方、よく見れば穴が1つしか開いてませんね。

軽くて握りやすいMode1 GRIPですが、ストラップホールもあります。握りやすいと言ってもすっぽ抜けてしまいそうな細さですしね。落下防止にストラップしてもいいですし、小さなストラップアクセサリーを付けてもいいですね。

SIMはデュアルSIMでDSDV対応。ただし片方はMicroSDカードと排他仕様です。

付属品として、USB保護キャップ?が付いてます。充電などで使う時以外はこれを付けておけば埃などの侵入を防げます。Mode1 GRIPはワイヤレス充電にも対応しているので、ずっと付けていてもいいかもしれません。

さすが幅56mmだけあって持ちやすく手にすっぽりと収まります。厚みは10mmと結構あるのですが、そう気になりません。角は丸まってないのでちょっと痛いというかXperiaのZ3 CompactやZ5 Compactをちょっと思い出す感触でした。このあたりの持った感触はかなりこだわって作られているようです。

スペックとパフォーマンス

Mode1 GRIPはMediaTek Helio P70を搭載し、RAMは4GB、ストレージは64GBを搭載したエントリーからミドル帯のスマートフォンです。

ディスプレイは5インチでアスペクト比22.5:9という通常よりもかなり細長いというのが最大の特徴。ワイヤレス充電やDSDVに対応し、IP65の防水防塵性能もあります。

主なスペックは以下の通りです。

OS Android 11
CPU MediaTek Helio P70
RAM 4GB
ストレージ 64GB
外部メモリ microSDXC (最大256GBまで)
ディスプレイ 5インチ 1440×576 (HD+) 22.5:9
メインカメラ 約4800万画素+800万画素
フロントカメラ 2500万画素
バッテリー 2,620mAh ワイヤレス充電対応
サイズ 約138 × 56 × 10 mm
重量 約140g
防水防塵 IP65
「mode1 GRIP」対応周波数帯
規格 周波数 Band NTTドコモ KDDI ソフトバンク
4G(TDD-LTE) 2.5GHz 41
4G(FDD-LTE) 2.1GHz 1
1.7GHz 3
900MHz 8
850MHz 19
800MHz 26
700MHz 28
3G(W-CDMA) 2.1GHz 1
850MHz 6,19
900MHz 8

より詳しいスペックは公式サイトをご覧ください。

ベンチマーク結果

各種ベンチマークの結果は、AnTuTu Benchmark(v9.1.7)が178,079点、Geekbench 5がシングルで310点、マルチで1,310点、3DmarkはWild Lifeで726点、PCMarkのWork 3.0 performanceは6,796点でした。

似た点数のほかのスマホと比べると以下の通り。

SoC Antutu Geekbench 3DMark PCMark
RAM Single Multi PERF BATT
Pixel 4a SD 730G
6GB
342514 552 1643 1008 8515 11h 24m
BlackBerry KEY2 SD 660
6GB
202502 337 1457 7110 13h 2m
Unihertz Jelly 2 Helio P60
6GB
192071 299 1450 647 7094 8h 31m
Mode1 GRIP Helio P70
4GB
178079 310 1310 726 6796 10h 11m

そのほか、当サイトでレビューしてきた端末のベンチマーク結果は以下のページにまとめています。こちらも参考にどうぞ。

実際に使ってみて

ベンチマークの点数としては、ここ最近使ったものの中では一番低いものです。Hlio P60やSnapdragon 660と似たようなもの、といった感じでしょうか。

このスマホでゲームする人はいないと思うので、そこまでスペックが必要というわけでもないですからね。通常の操作で若干鈍いかな?と感じる場面もありますが、そう気にするほどでもありません。思ったよりも普通に使えます。

22.5:9の細長いディスプレイ

Mode1 GRIPのディスプレイは5インチで、解像度は1440×576です。横のピクセル数が720に届きませんがHD+になるようです。実際の画面の大きさはアプリで測ったところ縦137.8mm、横66.0mmでした。

実に縦長で、その比率は22.5:9です。最近のスマホはだんだん縦長になっていますが、その中でもひときわ高いXperiaでさえも21:9です。Xperiaよりも更に縦長で、むしろリモコンに似た印象を受けます。

SNSなど、縦に延々とスクロールしていくようなものと相性がよく、一度に多くの投稿を表示できます。Twitterでよくある4コマ漫画がちょうどうまく表示されますね。(まぁ縦の長さも普通のスマホかそれより小さいくらいなので見やすいというよりスペースが無駄にならない、くらいですけど。)

左:デフォルト 右:最小幅360dp

ちなみに、ディスプレイの表示サイズはデフォルトでになっています。ただこれでも横幅が狭いなと感じたので、開発者向けオプションから最小幅を360dp(デフォルトは338dp)にしてみました。これでわりと多くのスマホと同じ横幅を表示してくれるようになります。わずかな差ではありますが、個人的にはこの変更でかなり見やすくなりました。

サウンドは最初の爆音に注意

Mode1 GRIPのサウンド、音の良さについては特に気にならないのですが、音量については気になるところです。

デフォルト状態では音量を最小にしていても着信音などがやたらと大きな音で鳴ります。これについては設定詳細設定音声強化とすすみ、BesLoudnessをオフにすると小さくなります。

リモコンアプリが使える

Mode1 GRIPは赤外線があります。とは言っても専用のアプリはインストールされていないので、自分でPlayストアから好きなリモコンアプリをインストールして使います。どれを使ったらいいのか迷ってしまうので、プリインストールされていたほうが良かったかもしれませんね。(そもそも赤外線の存在に気づかない可能性も高いです…。)

端末そのものが細長くてリモコンのようなので、リモコン系アプリはなかなか似合います。不意にリモコンがなくなったり電池切れのときのために、エアコンなどをオン・オフできるようにしておくといいかもしれません。

指紋センサーと電源ボタンの組み合わせは慣れが必要

Mode1 GRIPは端末の右側に指紋センサー、左側ちょっと上に赤い電源ボタンがあります。最近流行りの指紋センサー兼用の電源ボタンではありません。

これもどうやらこだわったポイントらしいのですが、個人的にはめちゃくちゃ使いにくいです。

画面をつけるときはスマホを操作する形でそのままオンにできるのですが、オフにするときは電源ボタンが上の方にある事もあって持ち方を変えなくてはなりません。上の写真だと中指で電源ボタンを押すように見えますが、うまく力が入らないのでけっきょくまた持ち直して親指でオフにしたりします。

なんというか、画面をオフにするのがかなり面倒に感じます。

カメラはちょっと微妙…

Mode1 GRIPの背面カメラは約4800万画素のメインカメラと800万画素の広角カメラのデュアルカメラです。実際の写りやカメラアプリの使い勝手は期待しないほうがいいです。

カメラアプリの使い勝手が悪い

これがMode1 GRIPの標準のカメラアプリです。かなりシンプルで、メニューとしては「画像」か「動画」かの2つのみです。左側のボタンは、フロントカメラ/アウトカメラの切り替え、HDRオンオフ、メイン/広角切り替え、フラッシュオンオフ、設定です。

広角カメラに切り替えたところです。左側のアイコンが変化しないので、今がメインなのか広角なのかがわかりにくいんですよね…。

設定もシンプルなものです。グリッド表示もないのが私的な残念ポイントです。ただRAW(.DNG)で撮影できるのは意外でした。

いくつか写真を撮ったので、サンプルを載せておきます。

通常撮影

全体的に色が薄い(彩度が低い)ような、そんな写真に見えます。まぁ値段なりと言ってしまえばそうなのですが。

広角

広角カメラで撮るとたしかに撮影範囲は広がるのですが、色合いがだいぶ変わるので注意です。なんというか、「こういうフィルム写真風フィルタあるよね」といった雰囲気になります。80年代風とでもいいますか…。

むしろ、通常カメラよりも味があっていいのでは…?

夜景

これまでに比べ、意外といいのでは?と思ってしまいました。

色合いについては、RAWで保存もできるので、気になるならそちらで撮影してあとで自分でやったほうがいいですね。それでかなりよくなるので、ソフトウェア的にあまり良くないのだと思います。

ちなみに、シャッター音もかなり大きめで、MediaTekのSoCを使ったスマホ共通の「ボヨン」といった音です。SIMを抜くと音量に比例した音(音量ゼロで無音)になります。SIM入れてる場合は端末底面のスピーカーを抑えるのがいいです。

今回撮った写真をまとめてGoogleフォトにアップしてあるので、興味ある方はどうぞ。

ほぼ素のAndroid

Mode1 GRIPはほぼ素のAndroidで、余計なアプリはあまり入ってません。ギャラリー、音声レコーダーくらいでしょうか。

Googleフォトのほかに『ギャラリー』アプリがあります。これは中身は『シンプルギャラリー』と同じですね。(シンプルギャラリーの無料版をインストールすると「ご購入ありがとうございます」のメッセージが表示されました。)

設定画面も普通のAndroidです。MediaTek特有のDuraSpeedがありますね。通知などがうまくいかなくなったときはオフにするといいと思います。

Mode1 GRIPの良かったところイマイチなところ

Mode1 GRIPを使ってみて感じた良いところとイマイチなところをまとめてみます。

良いところ
  • かなり珍しい22.5:9という画面比率
  • 幅56mmで小さくて軽い
  • 必要最低限のプリインストールアプリ
  • ワイヤレス充電対応
  • 用途を絞れば問題ない性能
  • 自分でカスタマイズしていく楽しさ
イマイチなところ
  • 電源ボタン押しにくい
  • カメラは使いにくい
  • さすがにゲーム等は向いてない画面と性能
  • 今後のアップデートはちょっと不安

ちょっと変わったスマホが好き、という人の物欲を刺激する22.5:9の画面はやはり面白いですね。SNSなどの縦に長い画面は先まで一覧できて良いです。小さくて軽いのでサブスマホ、2台目スマホとして良さそうです。

カメラや高くはない性能といった面も、まぁサブスマホならそこまで気にしないでいいのかもしれません。ただ、発売時点(2021年10月)でセキュリティアップデートが2021年7月で、そこからまだ10日ほどですが特にアップデートはありません。今後のアップデートは不安が残ります。

今回、使いやすくするためにカメラもプリインストールされているもの以外に使えるものがないか探したり、赤外線リモコンアプリを探したり、音量関係もいじって、画面表示では開発者向けオプションから最小幅を360dpに変えてみたりしました。こういったカスタマイズしていくことで自分が使いやすくする、という作業がなんだか懐かしくもありました。

まとめ:こういうの好きな人は好きよね

まぁ一般的なスマホじゃありませんね。それはもう見た目からわかります。こういったちょっと変わったスマホが好きな人向けです。価格も価格ですし、私はこういう割り切った(尖った?)スマホ好きですよ。

一般人の「普通にメインで使うスマホ」としてはオススメしません。でも2台目のスマホとして用意するのなら、とても面白い選択です。

参考情報

  • 本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。
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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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