Essential Phone PH-1 レビュー:細かい不満はあるものの素直で今後の期待もできる優等生タイプ

「Androidの父」と呼ばれるAndy Rubin氏の設立したEssentialから発売されたベゼルレススマートフォン「Essential Phone PH-1」を購入してから約2ヶ月半が経ちました。メインで使ってきたとは決して言えませんが、これまで使ってみてのレビューを書いていこうと思います。

購入直後には「思ったよりも…期待はずれというか、面白みがないなぁ」と思ったのですが、現在では少し評価を上方修正しています。

なお、私が購入したのは本体のみなので、360度カメラやそれとのドッキングについては特に触れません。

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端末の外観と持ちやすさ

Essential Phoneの外観で、一番目を引くのはやはりフロントカメラです。なにせディスプレイ部にめり込んでいますからね。これは、より大画面でベゼルレスを目指した結果であると思うのですが、たしかにそれは成功していると感じます。

数年前にAQUOS Crystalを触ったときのような衝撃はないのですが、このベゼルレスは自然に思えるベゼルレスです。誤動作しそうで怖いだとか、指が画面に触れているだとか、そういう心配がなく、操作している時に自然と画面が視界に入るような、そんな印象を持ちます。

背面はかなりピカピカで、指紋も付きやすいです。このあたりはもう気にしてはいけないものですね。側面も似たようなものですが、滑らない素材になっている部分もあるのでMi MIXのときのような「片手で持っているとずり落ちてくる」ということはありません。

ディスプレイは5.71インチですが、ベゼルレスなお陰で横幅は71.1mmとなっています。5.2インチクラスと同等の横幅です。なんとか片手操作できるかな、といったところでしょうか。

外観については、開封の儀の記事も合わせてご覧ください。

端末自体に高級感はそれなりにあるのですが、それもあってあまり外に持ち出そうという気になりません。落としたりすることが怖いのです。チタン製のボディで普通のスマホよりも丈夫らしいのですが、ディスプレイ部は普通に割れますしね。

安心度を高めるためにもフィルムやカバーをすればいいじゃないか、というのもありますが、カバーを付けてデカくダサくなるのは、ベゼルレススマホにおいては本末転倒という気がしてしまい、個人的にはやりたくありません。

高級(そう)なものを気軽に持ち出せるような人間になりたいものですね。

めり込んだフロントカメラは慣れる

Essential Phoneの一番の特徴とも言えるディスプレイにめり込んだフロントカメラ。これによりアプリなどの表示がどうなるのかは別記事で紹介しています。

アプリによって表示は様々ですが、基本的には通常よりもステータスバーが太く、その中にカメラが収まっています。この表示にはすぐに慣れることができました。ハッキリ言って気にならないです。

ただ、スクリーンショットを撮ると、そのステータスバーの太さは気になるかもしれません。ちょっと間抜けに見えます。

スペックと実際の動作

Essential Phone PH-1の基本的なスペックは以下になります。

Model Name Essential PH-1
OS Android 7.1.1
CPU Qualcomm Snapdragon 835
Kryo 280 Octa-core (2.45GHz Quad + 1.9GHz Quad), 64 bit, 10nm processor
RAM 4GB
ストレージ 128GB UFS 2.1
外部メモリ なし
ディスプレイ 5.71インチ(円弧角を含む) 2560 x 1312 (19:10, QHD)
カメラ 背面:1300万画素 前面:800万画素
バッテリー 3040mAh
サイズ 約141.5 × 71.1 × 7.8 mm
重量 185g 未満
ネットワーク UMTS/HSPA+: 1, 2, 4, 5 6, 8
GSM: 850, 900, 1800, 1900 MHz
CDMA EV-DO Rev. A: 0, 1, 10
FDD-LTE: 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 11, 12, 13, 17, 20, 21, 25, 26, 28, 29, 30, 66
TDD-LTE: 38, 39, 40, 41, 42, 43
TD-SCDMA: 34, 39

国内3キャリアどれにも対応?

公式スペックは上記のとおりですが、対応バンドなどについては実はもっと多くに対応しているようです。au回線のUQモバイルでも使用できたという報告もあります。詳しくは以下のサイトを参考に。

ベンチマーク結果

各アプリでのベンチマーク結果は以下の通り。

Antutu Benchmark 167189
Geekbench 4 Single:1908
Multi:6494
3DMark(SSE) 3627

決して最先端のハイエンドというわけではありませんが、十分以上にハイスペックでしょう。実際に使っていても引っかかりなどは感じません。DMM系のゲーム(わりと重い印象があります)をやってみても、他の端末に比べると快適にプレイできる気がします。

自分が普段から重い作業はしないし、ミドルハイから上のスマホであれば動作は気にならないので、最先端のSoCでないとダメ!というような人にとってどう映るのかはわかりません。そういう人以外であれば、特に不満なく使えるでしょう。

指紋認証

Essential Phoneの指紋センサーは背面にあります。私は普段は背面のセンサーは好きではないのですが、Essential Phoneではなぜか好んで使っています。センサー部分の段差がほとんどないこと、指がうまく滑って位置を合わせられることから…かもしれません。

ただ、その精度が良いかと言われると疑問も。認証に失敗することもありますし、反応も遅くはありませんが速いと言うほどのレベルでもありません。タッチしてからほんの僅かな間が感じられます。

カメラは期待してはいけない

Essential Phoneのメインカメラはカラーとモノクロの2つのレンズを持ったデュアルカメラです。ただ、このカメラにはあまり期待しない方がいいでしょう。

以前カメラについてのレビューでも書きましたが、Essential Phoneのデフォルトのカメラアプリは設定項目がほとんどありません。撮影する写真の画像サイズやアスペクト比の設定もありませんし、グリッド線の表示もありません。料理や夜景といったモード変更も、もちろんありません。

まぁ、そのあたりは他のカメラアプリを使えばいいのですが、できればデフォルトのカメラでもそれくらいはやってほしかったです。一応発売から何度かアップデートはあったのですが、そういった機能追加は一切ありませんでした。

写りが極端に悪いというわけではないのですが、微妙に彩度が低いように思えます。良く言えば自然なのですが、料理などはもう少し彩度高めで美味しそうに撮りたいところです。暗いところでは思ったよりも明るく撮れますが、全体的に白くなっているようにも思えます。

アップデートは細かい

システムのアップデートについては、期待していた以上に頻繁にやってくれています。セキュリティパッチも現時点で2017年11月です。また、ベータ版ではありますがAndroid 8.0も適用可能な状態になっています。そのAndroid 8.0のベータ版にすると設定の中に日本の技適マークを確認できます。(ただし2017年11月29日現在、総務省のページで技適番号の検索をしても該当データなしと表示されます)日本での販売も期待できるようになってきました。

性能に対して価格が安い

Essential Phoneは発売当初は699ドルだったのですが、公式サイトにおいて現在は499ドルとなっています。なお公式サイトは今のところ日本への直送は対応していません。

Amazon.comでは日本への直送に対応しており、こちらもだいたい同じ価格で販売されています。このスペックで499ドルはかなりお買い得だといえるでしょう。しかもAmazon.comでは時々449ドルまで下がることもあり、先日はサイバーマンデーセールで399ドルだったようです。これは安すぎる。

まとめ:購入当初よりも存在感を増してきた

このEssential Phone、購入当初は「フロントカメラは面白いけど、それ以外はなんか普通だし特に面白いところもないな。悪くはないけど尖ったところもなくイマイチ退屈かな?」と思っていました。いくつかレビュー記事を書いてさっさと売ってしまおうと考えていました。(そう考えているうちにどんどん価格が下がっていったのですが…。)

ですが、なんとなくで使い続けているとだんだん自分にフィットしてきたように思えます。もともと性能的には普通以上に使えるものですしね。尖ったところはなくとも、意外と使いやすかったようです。

さらに、他の購入者の報告により様々なバンドに実は対応している事がわかったり、Android 8.0 Oreoがベータ版で提供されしかも技適マークが表示されるなど、「面白い」部分も後から出てきました。もう今では売ることは考えていません。このまま使い続けます。

購入から2ヶ月半で、自分の中での存在感が徐々に上がってきました。自分としてはそういう端末はかなり珍しいです。長い間使い続けられるかもしれません。

Essential Phoneについての印象をまとめると「フロントカメラが目を引くが中身は標準的で素直な真面目さん、かと思えば隠れた良さを複数持っている」です。万人に勧められるようなものでもありませんが、スマホに「面白さ」を求める人であれば、価格の安さもありますし価値のあるスマホだと思います。

参考情報

  • Essential Phone | Free Yourself
  • 本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。
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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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