格安SIMの速度測定 2022年 1年間のまとめ:この1年でコロナ前の状況にすっかり戻ってしまったか?

当サイトでは毎月2回、格安SIMの速度測定を実施しています。今回の記事では2022年の1年間の結果を改めてまとめてみようと思います。1年という単位で振り返ることで、その変化も見えてくるのではないでしょうか。

毎月の詳細な結果については、以下のページからたどってください。

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測定方法など

日時 毎月5日および20日前後
場所 静岡県静岡市清水区
測定アプリ SPEEDCHECK
5GMARK
測定方法 SPEEDCHECK:自動測定機能を使って7時から23時まで1時間に1回測定。12時台は10分ごとに測定。
5GMARK:SIMごとに3回ずつフルテストを実施し、(3回の合計値+中央値×2)/5を値とする。
使用端末 AQUOS sense3 basic×20台
使用したSIM
  • ahamo(ドコモ回線)
  • IIJmio(ドコモ回線・au回線)
  • y.u mobile(ドコモ回線)
  • OCNモバイルONE(ドコモ回線)
  • BIGLOBEモバイル(ドコモ回線・au回線)
  • b-mobile(ドコモ回線・ソフトバンク回線)
  • 日本通信SIM(ドコモ回線)
  • nuroモバイル(ドコモ回線・au回線・ソフトバンク回線・NEOプランLite)
  • mineo(ドコモ回線・au回線・ソフトバンク回線)
  • UQ mobile(au回線)
  • povo2.0(au回線)
  • Y!mobile(ソフトバンク回線)
  • LINEMO(ソフトバンク回線)

※これらのSIMや端末はすべて個人で実際に自腹で契約しているものであり、特定の会社等から提供を受けたものではありません。

2022年はこれまでとは測定方法を変えました。『SPEEDCHECK』で朝から夜まで1時間ごと(昼は10分ごと)に測定し、翌日の昼に『5GMARK』のフルテストを3回行っています。

  • SPEEDCHECK』はスケジュールに沿って自動で速度測定ができるアプリです。
  • 5GMARK』のフルテストはYouTube動画やウェブページなどの読み込みをテストに組み入れており、より実際の使用環境に近い形でのテストが可能です。

これら2つのアプリを使うことで、1日の中での速度の変化や一番の混雑時間帯である昼の速度を記録しています。

格安SIMそれぞれの速度1年間まとめ

測定結果のうち、5GAMRKの昼の速度の結果のみを抜粋します。

ごちゃごちゃしすぎなので、1つ1つ取り出していきましょう。

ドコモ回線

ahamo

上下が激しいようにも見えますが、つねに高い値であることは変わりありません。

IIJmio

ごく稀に高い数値を出すこともありますが、基本的には1Mbpsに届かない程度で安定しています。

OCN モバイル ONE

基本的には早い部類なのですが、時々落ちてくる時期がありますね。12月はじめまでも落ち気味だったのですが、12月後半では復活しています。

速度のことではありませんが、2022年6月よりプライベートIPアドレスによる接続を提供開始し、それまであったバッテリードレイン問題がほぼ解消しています。

mineo

時々急に跳ね上がってますが、基本的には低速安定でした。

BIGLOBEモバイル

春から夏にかけては良かったのですが、最近はまただめになってしまいました。5Mbpsくらいで安定してくれると良いんですけどね。

NUROモバイル

以前はそれなりの速度が出ていたこともあるのですが、最近は低速安定です。

NURO NEO

4月から導入したNUROモバイルNEOプラン。最初はかなり速かったのですが秋から冬にかけて落ちてきました。12月後半の測定で持ち直したように見えますが、今後どうなるか、注目です。

y.u mobile

y.u mobileは基本的には速いSIMです。今年前半はドッカンドッカンしてましたが、後半は高速安定してきたようです。

日本通信SIM

以前はそれなりに速かったのですが、今はもう低速安定ですね。

au回線

私の測定地点だとau回線はドコモ回線に比べると弱いです。なのでドコモ回線のSIMと数値を直接比べてもイマイチなのはご了承ください。

povo

多少の上下はありますが、十分な速度を保ってます。

UQ mobile

UQ mobileは基本的にはpovoと同じです。十分な速度で安定してますね。

IIJmio

基本的には低速安定なのですが、ドコモ回線のIIJmioに比べると良い値が出てるような…。測定地点全体としてはドコモ回線>au回線なのですが、IIJmioに関しては逆転してます。

mineo

低速安定。

BIGLOBE

微妙に良い値を出していたのですが、ここ最近はまた低速になってしまいました。

NUROモバイル

ソフトバンク回線

LINEMO

微妙に落ちてしまった時期もあるのですが、基本的には十分な速度で安定しています。

Y!mobile

ワイモバイルは基本的にLINEMOと同じです。十分な速度が出てます。もうちょっとソフトバンク系に強い地域なら、もっと速度出るでしょう。

mineo

基本的に低速安定なのですが、よく見ると少~しずつ良くなってきてる…のでしょうか。

NUROモバイル

良い値を出すときもある…のですが、駄目なときは駄目です。もう少し上で安定してくれると良いのですが。

b-mobile

去年まではわりと良かったのですが、2022年に入ってだんだん落ちてきて、最近はもう低速です。12月後半で一気に良い数値となりましたが、これが今後どうなるか…。

格安SIMの2022年に関する雑感

速度的にはすっかり日常が戻った

新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛がほぼ終わって、もうすっかり以前のような傾向になりました。サブブランド勢が速く、それ以外との差が大きくなってます。

OCNモバイルONEやNUROモバイルNEOプラン、y.u mobileがMVNOとしては速いほうです。ただどれも1年間安定というわけではなく、落ちてまた上がって、と繰り返してます。まぁこの3つは落ちてもまた増強してくれるので良いですね。

楽天モバイル0円廃止の影響

大きな話題としては、楽天モバイルが7月よりRakuten UN-LIMIT VIIとなり、1GBまで0円が終わりました。

これにより離れていく人も多く、その受け皿としてどこが獲得するのか、といったことも注目されました。総務省のデータを見ても、やはりIIJmioが伸ばしているようですね。

複数回線が少し広まった?

7月にはauの通信障害が大きな話題となりました。

これの影響もあって、複数回線を持つことでの通信回線の冗長化というのも少し話題となりました。最近はeSIMと合わせてデュアルSIMを実現できる端末も増えてきてますし、複数回線契約が、ほんの少しだけ身近になってきたのではないでしょうか。

(180日以内にトッピング購入という条件はあるものの)基本0円で契約維持できるpovoがこういった冗長化に最適なのですが、今回の障害がau回線だったというのが、なんともうまくいきませんね。

2023年に向けて

格安SIM業界の2023年はどうなるんでしょうね。

このサイトの速度測定も2015年3月からやってるので、もう少しでまる8年です。長いことやってますね。5Gサービスが始まったのが2020年3月で、もうすぐ3年が経ちます。5Gが一般的になれば高速回線になって、こんな格安SIMの低速な測定なんて意味なくなってくるかな?と思っていたのですが、なかなかそういう状況にはなってませんね。

速度測定用に20台購入したAQUOS sense3 basic×20も、あと数ヶ月で2年経とうとしています。購入当時は「ここから2年も経てば5Gも普及して、速度測定自体需要もなくなってくるかもしれない、この端末は4Gしか使えないけど、それまでもてばいいか」なんて思ってました。速度測定の意味や需要がなくなるよりも、端末の限界のほうが近そうです…。


この速度測定は(もうしばらく)続けていこうと思います。なにか大きな動きがあってくれると、サイト的には面白いのですが、どうなることやら。最近名前を聞かなくなったあれとかあれとか、どうなるんですかねぇ…。

2023年も、良き格安SIMライフを。

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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