Nothing ear(1) レビュー:12,650円でANC、Fast Pair対応…細かい部分まで高バランスにまとまった、オシャレなTWSイヤホン!

Nothing Technologyさんから、Nothing ear(1)をレビュー用の提供していただきました。OnePlus創業者のCarl Pei氏が創業したNothing初の製品で、スタイリッシュなデザインに加え、アクティブノイズキャンセリングまで対応したTWSイヤホンです。

  • ひと目で目を奪われるモダンでスタイリッシュなデザイン
  • FastPair対応、ANC対応、外音取り込み…細かい部分までしっかり調整された機能面
  • バッテリー持ちが良くない、キズは目立ちやすい
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Nothing ear(1)のスペック

接続方式 Bluetooth 5.2
対応コーデック SBC, AAC
対応プロファイル A2DP,AVRCP,HFP
最大再生時間 約4時間(ANCON,イヤホンのみ)、約24時間(ANCON,充電ケース併用)、約34時間(ANCOFF,充電ケース併用)
防水性能 IPX4
充電ケースサイズ 約58.6 × 58.6 × 23.7 mm
重量 約4.7g(イヤホン片側)、約56.8g(充電ケースのみ)、約66.2g(充電ケース+両イヤホン)
品番 B181
その他 Fast Pair対応

パッケージ、内容品

いつもならパッケージはさっさと済ませるのですが、本製品はパッケージからかなり力が入っていたので詳細にレポートします。

パッケージ表と裏です。黒い紙で高級感が漂います。フォントは丸いドットを用いたもので、どことなくお洒落ですね。


側面です。技適マークなどがある面と、「Nothing ear(1) TRUE WIRELESS IN-EAR HEADPHONES」と書かれている面があります。パッケージなどは先述のドットを用いたフォントで統一されています。

発売時話題にもなった、開封の方法。この赤い目印が付いた部分から紙を引っ張り、外の紙を破いて開封します。

キレイなパッケージなだけに破るというのは勇気が必要ですが、これも意図してデザインされたものなのだろうということで、意を決して破りました。いえまぁ、破いたからといって何があるわけでも無いのですが…


中には銀色の箱が入っていました。開けると、いきなりear(1)がお目見えします。


内容品一覧です。Nothing ear(1)本体、ワイヤレス充電対応充電ケース、イヤーピース(S,M,L、Mは装着済み)、クイックスタートガイド(英語)、安全情報及び保証カード、USB-Cケーブル(USB Standard-A to USB Type-Cケーブル)となっています。


クイックスタートガイドは英語のみですが、安全情報及び保証カードには日本語の記述もあります。クイックスタートガイドのQRコードも丸ドットなのが良いですね。


イヤーピースとUSB-Cケーブル。イヤーピースは発表時の記事にも書きましたがリキッドシリコンで、確かにしなやかで良いです。

イヤホン本体・充電ケース


イヤホン本体と充電ケースです。私はひと目見た瞬間、一目惚れしてしまいました…

本当にカッコいいしモダンですよね。スケルトン(厳密にはトランスルーセントと呼ぶそうですが)って、今までも様々な製品で採用されてきたデザインです。電子機器では、任天堂のGAMEBOYなどがあります。

しかし、スケルトンは使い方によっては安っぽく見えてしまうこともあります。特に、全部透けるようにしてしまったりすると安っぽく見えやすいですね。何の素材を使っているかにもよりますが…


しかし、このNothing ear(1)は、最高にカッコよく見えるように工夫されています。パッケージから使われている丸ドットのフォントなどが、基板の部品などの良い引き立て役になっているのではないでしょうか。

“中身が見えるだけ”のスケルトンはよくありますが、装飾と上手く同居し、共に引き立て合っているように見えます。

イヤホンの右側に暖色系の印をつけるのは、有線・無線問わず他の多くのイヤホンで行われています。普通は右側だけに何かが付け足されていて、左側には何もありません。しかし、ear(1)は左側に白いペイントがあります。シンメトリーなデザインが、工業的な美しさに繋がっている気がします。

見えづらいですが、ケース内部のバッテリー部分は、表面が丸いドット模様になっています。上に透明なプラスチックの層があるので、触ることはできず、ツルツルです。

シリアルナンバーが、フタの開閉に使われる磁石に書かれているのもさり気なくてお洒落です。

デザイン素人なので見当違いのことを書いているかもしれないのですが、それでも伝えたくなるデザインの良さがあります。



充電ケース側面です。USB Type-Cケーブルか、Qi規格のワイヤレス充電が可能です。ボタンはリセットボタンなので、基本は押すことはありません。むしろ、無闇に押すと故障の危険性があります。

Android端末と接続して使う:Fast Pair対応でラクラクペアリング!

専用のear(1)アプリ

Nothing ear(1)は、Fast Pairに対応しています。Fast PairはAndroid 6.0以降のAndroid端末で使える機能で、初めてのペアリングでも、ケースを開けただけで周囲のAndroid端末にペアリングの確認ダイアログが出て、同意することで即座にペアリングできます。



Nothing ear(1)を初めて接続する際、アプリを入れていないとアプリのインストールを勧められます。このアプリでファームウェアのアップデートなどが可能なので、インストールをおすすめします。



製品改善プログラムに参加するか、位置情報を使ってペアリングを早くするか、などが聞かれます。同意しなくても使うことはできますが、製品を良くしたい、ペアリングをもっとスマートにしたい等の場合には同意したほうがいいですね。

アプリのトップ画面が3枚目です。これはイヤホンをケースから取り出したときで、収納している場合はまた違う画面になります。



アプリを開いて最初の画面の右上にある(三点リーダー)をタップすると、デバイス詳細画面になります。ここではイヤホンのファームウェアの更新、装着検知(イヤホンを耳から取ると音楽の再生停止をする機能)のON/OFF、イヤホンの音を鳴らして探す機能が使えます。イヤホンのデバイス名変更(デフォルトではAndroid端末にログインしているアカウントの下の名前)、Bluetoothアドレスの表示もできます。

私は初回起動時にファームウェアの更新が表示されたので、更新しておきました。12,560円でありながら、ファームウェアの更新までサポートされるのは嬉しいですね。


アプリトップ画面左上のをタップすると、アプリ本体の設定ができます。メールアドレスでアカウントを作ってもいいですが、Fast Pairを使っていればGoogleアカウントを持っているはずなので、Googleアカウントでログインしたほうが早いです。


アプリのトップ画面下部の聴くをタップすると、細かく調整はできませんがイコライザーとイヤホンの動作モード切り替えができます。動作モードは、デフォルトでイヤホン長押しでも変更可能です。

ANCの効き具合も変更できます。機能が盛りだくさん過ぎて目立っていませんが、しっかり外音取り込み機能もあります

アプリトップ画面下部、タッチをタップすると、トリプルタップ、ロングタップでの動作を変更できます。割り当てられる動作には、トリプルタップだと次の曲・前の曲、ロングタップではノイズキャンセリングがあり、それぞれ無効にすることも可能です。

タッチ操作を試してみましたが、シングルタップには操作が割り当てられておらず、ダブルタップで音楽再生・一時停止、トリプルタップかロングタップは割り当てた任意の動作なので、誤作動が無く狙い通りに操作ができ快適でした。ここもしっかりチューニングされていて好印象です。

Fast Pair対応=イヤホンを「デバイスを探す」から探せる!



Fast Pairの元来の機能(簡単にペアリング可能、Googleアカウントにデバイス紐づけ)よりも、こちらのほうが嬉しい方も多いはず。Pixel Buds (第2世代)発売で、Fast Pairの機能がアップデートされ、イヤホン本体のみならず充電ケースのバッテリー残量まで分かるようになりました。さらに、紛失などの場合には、どこで通信が途絶えたかを、「デバイスを探す」アプリなどから見ることができます。そう、AirPodsみたいにね。

…Apple風の書き方をしてしまいましたが、Google純正のイヤホンでもないのにこれに対応しているのはかなり大きいのではないでしょうか。その性質上、外で使うことが多いワイヤレスイヤホンですから、紛失はつきものです。
AppleのiPhoneとAirPodsなら同じようなことができますが、最安のAirPods(第2世代)だけで16,800円もします。ear(1)より4,000円近く高いんです。
Pixel Buds A-Seriesなら11,900円〜ですが、ear(1)のような所有欲を満たしてくれるデザインではありません。

Fast Pairだけならもっと格安の製品もありますが、そうなるとANCはありません。この価格で、ANCと外音取り込みがあって、Fast Pair対応で、専用アプリがあってファームウェアアップデートができて…となると、少なくとも国内では唯一無二なのではないでしょうか。

使ってみた感想:音質、アクティブノイズキャンセリングなど

耳につけてみたところ。リキッドシリコンのイヤホンはしなやかにピッタリフィットしてくれた

TEENAGE ENGINEERINGによりチューニングされたという音質は、一言で言うと弱ドンシャリ傾向。古い曲などでは高音の解像感が劣って聴こえましたが、新しい曲(HD音質対応曲など)では十分な解像感で聞かせてくれたので、相性もあるのだと思います。今回は、Amazon Music Unlimited HDでULTRA HDなどの楽曲も含め、J-POPを中心に80’s、アニソンなど様々なジャンルの曲を聴いています。

HYBRIDアクティブノイズキャンセリング機能は、設定をマックスにしていてもそれほど強くはありません。ただ、その分自然に聴かせてくれます。強さはアプリから2段階で調節できるので、好みやシチュエーションによって調整可能なのが良いですね。

外音取り込みは弱め。不自然な聞こえ方をしないので、そういったものが苦手な方には良いのですが、外音取り込みなのであれば、外の音がもう少し大きく聴こえるようにするか、これもノイキャンのように効き具合を調節できればもっと良くなると思います。

バッテリーが普通に片減りしてしまうので、ここは次世代で改善を期待したいところです。MCSyncのように、機器によらず実現できる方法もあると思います。

ワイヤレス充電

以前レビューしたBaseusのワイヤレス充電対応モバイルバッテリーで充電してみました。ハイエンドのAndroid端末であれば、ワイヤレスリバースチャージ機能が搭載されていることも多いですし、バッテリー残量が気になる場合でもリカバリできます。

まとめ:完成度高し。総合的に見て「1万円台前半でコスパ最強」なTWSイヤホン!

久しぶりに感動してしまい、かなり長いレビューになってしまったのですが、Nothing ear(1)は1万円台前半のTWSイヤホンでずば抜けたコスパを誇っていると思います。

ANC対応・ワイヤレス充電など機能面もさることながら、クリアパーツを使いながらモダンに仕上げられた、所有欲を満たすデザイン、Fast Pair対応で日常での使い勝手も優秀と、この価格でこれだけの仕様なら文句なしですね。

細かいところでは、動作時の音声(モード切り替えなど)が、格安Bluetoothイヤホンによくある「Connected(大音量)」みたいな音声ではなく、数種類の電子音になっており、快適です。こういったところまで作り込まれていると、製品としての完成度の高さが実感できます。今や数千円台からアクティブノイズキャンセリング対応イヤホンは存在しますが、どこかで粗さが垣間見えます。しかし、本製品にはそのような点が見当たりません(もちろん格安機ではないからですが)。それどころか、専用アプリにイースターエッグまで仕込まれているという余裕さ。もちろん、会社として1つの製品だけに取り組んでいるからこそ為せる技、というのはあるでしょうが、それでも高級機に匹敵する作り込みには驚きです。

あまりこういった言葉は使わないようにしているのですが、まさに「コスパ最強」のBluetoothイヤホンです。

2つだけ言うなら、片減りとケースが傷つきやすいのはなんとか…なりませんか…?デザインが良いのであまり傷つけたくないのです…シリコンケースとかでもいいので…宜しくお願いします…

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でじぃ
病気療養中のガジェットオタク。基本はTwitterにいます。私の執筆した記事は私個人の意見です。ご依頼などあれば、ご連絡はTwitterのDM(これが一番早いと思います)か、digitalkcct@gmailどっとこむ(どっとこむ→.com)まで宜しくお願いします。
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