武田総務大臣が会見でKDDIのpovoに対し「非常に紛らわしい」と発言-そこに感じる違和感

総務省の武田良太大臣が1月15日の会見にて、KDDIの新料金ブランドpovoに関する質問に答え、その内容についてまた話題となっています。

またか…という気持ちもあるのですが、今回はその内容について若干違和感というか、おかしな流れになってるなと感じました。単に話題の流れに身を任せるのも危険だと感じたので、軽く書き残しておきます。

1月15日の武田総務大臣 記者会見

話題となってる武田総務大臣の会見はYouTubeで内容が公開されています。件のpovoに関する質問は動画の3:35あたりから始まります。

音声がなかなか聞き取りにくいと思うので、それを記事にしたものを読んだほうが早いでしょう。

特に話題となってるのは1つ目の質問で、質問者は「KDDIが新プランを出して最安値と言ってるが通話料金を含めれば実質他社と横並びになる。その最安値という表示について大臣はどう考えるか」というような質問をし、それに対し「非常に紛らわしい発表だったな、と思います」と答えています。

追記:質疑応答の全文が総務省のページにも載っています。

問:
 携帯電話料金について伺います。先日KDDIが20ギガで2,480円の新プランを発表されました。KDDI側は最安値を謳っていますけれども、通話料金を含めると、実質、ドコモ、ソフトバンクが発表した新プランと横並びになると思います。最安値という表示方法についての大臣のお考えと、携帯電話料金横並びに結果的になっていることへの受け止めを教えていただければと思います。

答:
  非常に紛らわしい発表だったと思います。ご指摘のように。
  先般、2大臣会合、そして消費者庁を交えた中で、利用者がわかりやすい、選択しやすいやり方を求めてきたわけですけれども、最安値と言いながら、他社と結局同じ値段であったということについては、もっとわかりやすいやり方をしっかりと考えていただきたいというのが私の気持ちであります。
  その中に通話料が含まれていない、それによって2,480円という言い方だったのか、ただ単に同じ条件で2,480円だったのか、そこのところをはっきりしないままに、あたかも国民に対して他社よりも一番安い、500円安い2,480円だと、すべて同じ条件だと思わせるようなやり方に関しては、私は非常に残念だなと考えております。
  今後、以前から申し上げているように、利用者が、選択しやすい、わかりやすい説明をしっかりとやっていただきたい。利用者の方々が、「契約した時といざ使ってみた時の条件が違うじゃないか」というトラブルが起こらないように、あらかじめしっかりとした丁寧な説明、わかりやすいシステムを示していただいて、無用なトラブルが起こらない状況を作り上げていくことを期待していきたいと考えております。
総務省|武田総務大臣閣議後記者会見の概要(令和3年1月15日)

批難される発言を引き出す誘導的質問だったのでは

「非常に紛らわしい発表だった」のあとの発言も含め、それを報じたメディア記事を読んだ反応として、大臣を批判するものがTwitterやネット上で多く見られました。今回の発言に対する反応としては、まぁ納得できるのですが、1つ引っかかることがあります。

KDDIはpovoについてプレスリリース公式サイト上で「最安値」とは書いてないのです。先に引用したケータイ Watchの記事でも追記で書かれていますが、発表会後の質疑応答の中での発言に含まれていた程度です。

なのにああいうことを答えてしまった大臣も大臣ですが、むしろ今回は質問者の質問の仕方が悪かった、というか誘導しているように見えます。質問の内容としてもまず「最安値をうたってる」「実質横並びだがその表記についてどう思うか?(問題でしょ?)」と今回の発表がダメだという発言を引き出すためのものとなっています。ちなみに質問者は(動画だとほとんど聞き取れませんが)日経の記者のようです。

例えば「KDDIも20GBプランを出して2,480円という他社よりも下の料金を出し、5分かけ放題をオプション化して選択の幅をもたせましたが、どう感じたでしょうか」というような肯定的な質問をすれば、また答えも違っていたでしょう。

むしろ求められてた展開?

武田大臣はこれまでの発言からも携帯料金について「その場で言ってる」「人気取りのためだけ」「内容を理解してない」などと言われてきました。そのため、新料金プランなど何かしら発表があると「次の会見で何ていうかな?またこれではダメだとか難癖つけるんじゃない?」と、おかしな発言を期待するような雰囲気もTwitterなどでは見られました。

また、メディア側としても(もちろん全てのメディアではないですが)権力側を購読者の敵にするほうが数字が稼げるし、何かしら突っ込みどころがあったほうが購読者の反応を引き出せるというのがあるのでしょう。

そういったものが絡み合って今回のような誘導的質問になったのではないでしょうか。

もちろん、大臣の発言はたしかに「わかってない」のですが、それにつられて反射的に批判していると、これは誘導した質問者に見事に釣られてることになります。わかってて釣られるのならいいのですが、ちょっと危うい気もしますね。

今回のことで、また面倒な方向に流れていかないか、心配です。

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、茨城県つくば市在住。

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