色々な種類があって迷いがちなUSBテスターの選び方

最近スマートフォンだけではなく、タブレットやノートパソコンなどまでUSB充電で賄えることが多くなってきています。

しかし「ちゃんと充電できているか」や「急速充電されている」のかは見ただけではわかりにくいのも事実です。

そこでUSBテスターを用いて確認を行う方法がありますが、機能や値段など様々なテスターがあるなかで、どのテスターを選べばいいかわかりにくいということも多いと思います。

今回はそんなUSBテスターの違いや選び方を紹介していきたいと思います。

今回紹介するテスターはあくまで「簡易測定器」となっています。校正などがされた機器ではないため、「大体これくらい」という程度に判断することが可能なテスターという認識のもと使用してください。
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そもそもUSBテスターとは

USBテスター自体をよくわからないという人も多いと思うので、まず簡単にUSBテスターに関して紹介したいと思います。

大きく分けて2つの機能があり、充電中の電流や電圧を測る機能、そして充電器の性能を確認する機能です。

前者はわかりやすいかと思いますが、後者は若干わかりにくいかもしれません。簡単に言うと急速充電(USB PD、QuickCharge)などにどの程度対応しているかということをチェックする機能となっています。

USBテスターの種類

次に、USBテスターの種類について説明していきます。大きく分けると3つに分けられます。

  • 充電中の電流や電圧のみを測るもの
  • 充電器の性能を測ることが可能なもの
  • 充電中の通信内容まで確認可能なもの

下に行くほど高機能となり、値段も高価になっていきます。物によっては充電器やモバイルバッテリーよりも高価というものもあるので、用途やどこまで知りたいかということを含めて選別する必要があります。

充電中の電流や電圧のみを測るもの

◆ USB-Aのみのもの

◆ USB-Cのみのもの

◆ USB-A/C対応のもの

最初に紹介するのは充電中の電流や電圧のみを測るテスターです。USB-Aのみのもの、USB-Cのみのもの、双方対応の物など様々な種類があります。

このテスターは機能も少ないですが「使っている機器に対してちゃんと充電されているのか」「急速充電されているのか」ということを見るには必要十分なテスターです。

上の写真では、左側はQuickCharge3.0で、右側はUSBPDで充電されているということは電圧から判断可能となっています。(逆に言えばその辺りの仕様を把握していないと判別できません。)

機能が少ない代わりに価格も2千円以下(海外通販なら千円以下)と安価に購入可能なため、とりあえずひとつ持っておいて安心という感じです。

充電器の性能を測ることが可能なもの

次に紹介するのは充電器の性能も測定することが可能なテスターです。このタイプは電流/電圧の測定のみのテスターよりは若干高価なものの、大きな差は無いので最初からこちらを購入するのも有りかもしれません。

仕様書などに記載のある対応規格などが、正しいのかをチェックすることが可能なテスターとなっています。

見た目同じUSB-Cのポートであっても、上の写真のようにUSB PDのみであったり、その他の規格にも対応していたりと差があったりすることを確認することが可能です。

また同じPD対応であっても、PPSに対応していたりしていなかったりということもあり、そのような出力を見ただけではわからないこともチェックすることができます。

PPSとは、3.3V~21Vの間で0.02v単位で充電する端末に最も適した電圧に設定する機能です。

書いてある仕様が全て正しいことが一番なのですが、たまに書いてないものに対応していたり、若干仕様が異なっていたりすることが有ります。それをチェックすることが可能となっているテスターです。

また、テスターにもよるもののこのレベルのテスターではパソコンなどで充電時の電圧・電流のデータを取得することも可能です。

充電中の通信内容まで確認可能なもの

最後に紹介するのは充電中の通信内容が確認可能なもの。今回紹介する中では一番高価となっています。

既に紹介した機器と同様に、充電中の電圧・電流の確認や、充電器の対応している規格などのチェックが可能も可能です。

さらにこのテスターでは、簡易的ではありますがUSB PDの通信内容を確認できます。USB PDでは、充電器と機器側が通信をしてどの電圧・電流で充電するかということを決めていて、その内容を見ることが出来ます。

まず機器を繋ぐと充電器側から「私はこのPDO(電圧と電流)に対応している」というメッセージが流れます。

今回の場合は5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/3AとPPSに対応しているとメッセージを流しています。

すると機器側がその内容を確認し、その中で適したPDOを選択します。今回は「対象2」ということで、先の画像内にある対象2の9Vを選択して電流は2.2A、要するに充電器側に私は9V2.2Aで充電しますよと伝えています。

機器側が9V2.2Aで充電すると伝えると、充電器側がその電圧に合わせて充電を開始します。このような形で充電が開始されるというものが可視化できるテスターとなっています。

ちなみにこの機器で見られる内容はあくまで簡易的なものとなっています。もっと詳しい内容を見られる機器もありますが、そちらは4万円越えと中々手が出しにくい値段となっています。

どのUSBテスターを選べば良いのか

ひと通りテスターを紹介してきましたが、本題のどのテスターを選べば良いのかという話です。

普通に充電器を使うだけの人:充電中の電流や電圧のみを測るもの

大多数がそうなのではないかと思いますが、普通に充電器を使って手持ちの機器で充電できるか確認したいという場合であれば、一番安価な電圧・電流の測定機能付きのテスターで問題ないと思います。

購入した充電器と手持ちの機器を用いて、急速充電が出来ているかというチェックであれば十分確認可能です。

ブログなどで充電器のレビューをするような人:充電器の性能を測ることが可能なもの

次に入手した充電器をAmazonやブログなどでレビューをするような人。このような人は充電器の性能を測れるテスターがあると良いと思います。

というのも仕様と実性能が異なっている充電器や、出力が変な充電器も無いことはない現状なので、最低限仕様との差を確認するという点でひとつあると+αのレビューができるのではないかと思います。

USB PDの通信などの細かい部分まで気になる人:充電中の通信内容まで確認可能なもの

このテスターは「どういう流れで充電されているか」などをよく知りたい人向けなテスターです。正直性能を測れるテスターがあれば、大体困ることはないと思います。

しかし、どのような流れで充電されているかや、うまく充電されないときに可視化して見たいという場合には通信部分まで見られるテスターがあると良いと思います。

USB PDに関してもっと専門的に知りたいとなったときに本格的なものは数万円することを考えると入門編としても使えるのではないかと思います。


正直自分は充電器のレビューなどをしていく中で、どんどんUSBPD自体に興味をもってテスターも増えていってしまっています。そこまでいかなくても、自分の用途にあわせて1つは持っていると何かと便利に使えます。以上、USBテスターの紹介でした。

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