スマホと格安SIMを使い始めて10年、思い出と歴史を語ろう

まったく個人的なことですが、スマホと格安SIMを使い始めて10年が経ちました。格安SIM歴10年のベテランです。この10年で格安SIMを扱う業者もかなり増え、私がメインとして使ってるSIMも何回か変わってきました。ちょっと思い出を語らせてください。

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2010年5月の出会い

その頃の私はとくに携帯電話に興味があるわけではありませんでした。ただなんとなくXperiaという新製品の存在は目にしてたかな…というくらいです。それの少し前からWindows Phoneで普通のメールとかPC用サイトを扱えるというのには興味がありました。

そんなときに、日経トレンディの「話題のスマートフォン「Xperia」、通信料金を劇的に安くするワザ」という記事を読みました。今記事が残ってないのでInternet Archivesへのリンクを張っておきます。

この記事で初めて「通話ができない通信専用でプリペイドなSIM」というものを知りました。むしろSIMという存在もこのときに知ったのかもしれません。

そして少し悩みつつ、Xperia SO-01Bをヤフオクで落札し、日本通信のb-mobile SIM U300を購入したのが始まりです。2010年5月13日のことでした。

b-mobile SIM U300というのは、通信速度が最大300kbpsで使い放題というプリペイドSIMでした。1年、6ヶ月、1ヶ月のパッケージがあり、私は6ヶ月(185日)を購入、13,544円でした。1ヶ月あたり2,257.3円、1日あたり73.2円ですね。購入後、電話で認証して使い始めるというものでした。

当時は埼玉の所沢に住んでおり、月の収入が12万円ほどでした。その状態で13,544円というのはなかなかの出費でしたね。しばらくは6ヶ月ごとにこのSIMを買っていました。

ちなみに、このXperia + b-mobile SIM U300でスマホを使い始め、カッコいいウィジェットを探し始め、そのアプリまとめサイトとして2010年11月にこのサイトの開設となります。

高速通信・月額容量制へ

b-mobile SIM U300は300kbpsで使い放題でしたが、その後「b-mobile Fair」という1GBまで高速通信が使える(最大120日間)SIMを試しつつ、2012年6月より「Amazon限定 高速定額」という1ヶ月に500MBまで高速通信できる(使い切った後はチャージするまで通信不可)SIMを使い始めました。

こうしてプリペイド使い放題→プリペイド1GB→月額1GBと変化していき、現在のような月額プラン契約となっていきました。当時は日本通信とIIJくらいしか目立つものはなかったと思います。

このあと私は2013年5月にOCN モバイル ONEを契約し、かなりの間メインとして使ってきました。

格安スマホの誕生

格安SIMは当初はスマートフォン単体を別で白ロムとして用意するか、自分がドコモで使っていたものをSIMを入れ替えて使う、というものでした。

これの販売方法を変えたのが2014年4月の「イオンのスマートフォン」です。これは日本通信の「スマホ電話SIM」とGoogleの「Nexus 4」をセットにして月額2,980円で使えるものでした。

ちなみに当時はすでにNexus 5も出ており当時から型落ち品の在庫処理のような言われ方もしていました。8,000台限定だったのですが、あっさり完売したそうです。

そして同年7月には第2弾として「BIGLOBE LTE・3G 音声通話スタートプラン」とセットになった「geanee FXC-5A」が発売されました。(ちなみにgeanee FXC-5Aはイオンのほかミニストップでも端末単体で購入可能でした。買いました。

これらの「スマホと格安SIMをセットにして販売」が始まった辺りから「格安スマホ」という言葉が使われ始めたと記憶しています。

てっきりイオンが言い始めたと思っていたのですが、プレスリリースではあくまで「イオンのスマートフォン」としてますね。上記ITmedia ニュースに載ってる産経新聞の記事では2014年5月で格安スマホという言葉を使ってます。

ITmedia自体はイオンのスマホ第1弾では使ってませんが第2弾で「格安スマホ第2弾」としています。

今でもわりと混同した表記を見かけますが、基本的に「格安SIMは通信サービスのSIMのみ」「格安スマホはスマホと通信サービス(SIM)がセットになったもの」と分けたほうが正しい気がします。

契約SIMの増加と速度測定

2013年5月にOCN モバイル ONEを契約したあと、BIC SIMを契約したりと少しずつ契約SIMが増えていきました。そして2015年3月に楽天モバイルのブロガーイベントに参加したのが次の転機でした。

このブロガーイベントでは「楽天モバイル音声通話SIM1年間無料 + Zenfone 5 (8GB)」がもらえました。この時点で格安SIMが「OCN モバイル ONE」「BIC SIM」「DMM mobile」「楽天モバイル」の4枚でした。ここで「もう少し増やせば速度比較の記事が書けるんじゃないか?」と思ってしまいました。

そして同じく2015年3月にSIMを4枚追加して速度測定をはじめました。この時のSIMは以下の8つでした。

  • OCN モバイル ONE
  • BIC SIM (IIJmio)
  • DMM mobile
  • BIGLOBE LTE・3G
  • NifMo
  • 楽天モバイル
  • So-net PLAY SIM
  • b-mobile X SIM

ここから毎月1-2回の速度測定とその記事を続けています。格安SIM歴10年ですが、速度測定も5年やってます。「速度測定は単体でやってもあまり意味はない、継続的な調査が重要だ」なんて言いますが、5年ですよ、5年!

その後、SIMを増やしたり減らしたり増やしたり増やしたりしながら今は22枚のSIMで速度測定してます。速度測定用以外で4枚あるので合計26枚契約中ですね…。

格安SIMの歴史

日本における格安SIMは2008年に日本通信のb-mobileが最初です。(MVNO事業は2001年からで、SIMカード型サービスが2008年)
ここまでの歴史を振り返ってみます。(基本的に個人向けサービスに限ります。)

格安SIM業者の増加と安値競争

その後、2013-2014年くらいにどんどん増えていき、月額定量(超過時は低速制限)が主流となりました。月間で利用できるデータ量が増え、月額料金も競争するように安くなっていきました。2015年3月にDMMモバイルが「最安値宣言」を行い、他社が値下げしたら追従してそれよりも更に安くするようになりました。

この「最安値宣言」後も値下げは続きましたが値下げ額はかなり小さくなり、最終的にはデータ通信のみの場合、月1,000円程度で3GBというのが現在まで続く標準となりました。

3キャリアの格安SIM

格安SIMは最初はドコモ回線しかありませんでした。これが2014年6月にケイ・オプティコム(現オプテージ)がau回線の格安SIM「mineo」を開始、続いて2014年12月にUQ mobileが始まりました。

ソフトバンク回線の格安SIMは2016年にU-NEXTの「U-mobile SUPER」から始まりました。これで3大キャリアどこの回線でも格安SIMで利用できるようになりました。

現在はmineoやLINEモバイル、nuroモバイルのように3つのキャリアの回線すべてを取り扱う格安SIM業者もあります。MNOとしてサービスを開始した楽天モバイルの格安SIMも、いつの日か出るかもしれませんね。

スマホとSIMのセット販売

2014年4月のイオンのスマホからは、SIMとスマホのセット販売が始まりました。最初は単なるセットでしかありませんでしたが、そのうちキャリアと同じように端末代が分割払いできるようになり、セット契約で端末代が割り引かれるようになりました。

個人的には「SIMと端末を別々で購入できるのが格安SIMのいいところ」と思っていたのでセット販売が主流になってスマホがほしければ契約するしかないという状況は好ましくありませんでした。わりと「機種変更(追加購入)」が用意されてない格安SIM業者もありました。

業界再編成

格安SIMは儲からない、というのは昔から言われてきました。そして撤退する企業も出始めています。2017年11月にFREETELが楽天モバイルへと引き継がれ、2019年9月にはDMMモバイルも楽天モバイルへと引き継がれています。

このほかにも微妙に会社の変化があったり、微妙な変化が続いています。結局残るのは親企業に体力があるところですね。

安定期か、嵐の前の静けさか

格安SIM業界も、ここ2,3年はプランや売り方に大きな変化はないように見えます。世間への認知度も上がり、急激に伸びる時期も終わって、よく言えば安定、悪く言えば限られたパイの奪い合いになってきました。

とは言え、体力のないところは撤退という動きもあるので、各社とも大きな変換を迫られてるのかもしれません。UQ mobileがKDDIに承継されるのもそういった動きの1つなんでしょうか。

5Gの取り扱いについても少しずつ情報が出始めてるので、そこでまた大きな動きが出てくるのではないでしょうか。

私と格安SIMの10年

自分の格安SIMの思い出のはずが、なぜか格安SIM業界の歴史まで語っていました…。

もともとドコモの使い放題なプランが(金銭的理由で)契約できなくて、それでもスマホを使ってみたくて使い始めたのが格安SIMでした。それがこのサイトを開設・運営するようになり、その活動のおかげで転職し、さらに独立してこのサイトのみで生計を立てるようになりました。

すべてが始まったXperia SO-01Bとb-mobile SIM U300からまる10年。ちょっと感慨深いですね。

まさしく人生を変えてくれたスマホと格安SIM、今までの10年を感謝するとともに、次の10年も楽しんでいきたいと思います。

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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