mineoについて考える。月額割引、500kpsパケット放題、ゆずるね。その狙いはどこに?(追記あり)

1月29日、mineoが久々にキャンペーンと面白そうな新サービスを発表しました。月額料金の割引キャンペーンはともかく、新サービスについてはとてもmineoらしさを感じるものでした。それが受けるかどうかは別として。

今回の発表後に様々なところの反応を見ながら、頭にもやもやとした考えが浮かんでは消えていったので、その一部を書き残しておきます。とくに取材して裏を取ったりしたものではないので、あくまで私の頭の中の妄想と捉えてください。

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ゆずるね。

今回の新サービスの1つ「ゆずるね。」
なんで「。」を入れたんだ、テキストで書きにくいじゃないか、モーニング娘。かよ、というのは置いといて、mineoらしいサービスですね。ユーザーからのアクションを待つというか、良くも悪くもユーザーありきのサービスです。

簡単に説明しておくと、「ゆずるね。」は前日の13時~当日11時30分までにmineoアプリ内の「ゆずるね。」ボタンで意思表示を行い、当日昼(12時~13時)の間の利用量が数MB以下の場合達成となり、達成回数に応じて特典が付与されるというサービスです。

昼の時間帯が混み合うのは利用者が多いからで、だったら必要ない通信は控えてもらう方向に向けよう、というものですね。ただ単に「必要な人は使わないで」というよりも何らかのインセンティブがあったほうが、確かに効果はあるでしょう。

この特典ですが、以下のようになっています。

そしてこの「ゆずるね。」29日の発表後、30日になってプレスリリースが一部訂正されました。それによると達成回数としてカウントされるのは平日のみ達成カウントは「当月21日~翌月20日」となっています。

まぁそうですよね。混雑するのは平日だけで、土日休日は混まないのだからそこで「ゆずるね。」されても意味ないのです。ですが、平日のみだと月に20回の達成ってかなり難しいんじゃないでしょうか?その月の範囲で何回平日があるのか、ちょっと調べてみました。

3月23日~4月20日 21回
4月21日~5月20日 18回
5月21日~6月20日 22回
6月21日~7月20日 21回
7月21日~8月20日 20回
8月21日~9月20日 21回
9月21日~10月20日 20回
10月21日~11月20日 22回
11月21日~12月20日 19回

あー…これは…。ほとんど全部を「ゆずるね。」しないと20回達成にならないじゃないですか。というか4/21~5/20と11/21~12/20はパーフェクトでも20回無理じゃないですか。いやせめて「20回または全日達成」にしないとダメでしょ、これ。

20回達成でもらえる「プレミアム1DAYパス」は他の人に譲ることもできるようなので、これまでのパケット売買と同じようにヤフオクやメルカリで売られてしまうだろうなとは思っていましたが、本当にプレミアムになりそうです。

追記

mineoのサポートに読者の方が問い合わせたところ、なんと祝日でも月~金曜日であればカウント対象となるとの回答があったようです。

ということは、月に20回は無理ではないですね。(2021年2月21日~3月20日でも20日間あります。)

月額割引がMNP前提

2月1日からは「月額基本料金6カ月間800円割引キャンペーン」が始まってます。

  • 月額料金が800円×6ヶ月割引
  • データ容量6ヶ月間1GB増量
  • 対象端末購入で最大3,000円分の電子マネーギフトプレゼント

月額料金が800円割り引かれるのは大きいですね。au回線のAプラン3GB(音声通話付き)が通常1,510円のところ710円です。かなり安いです。ただ、このキャンペーンの適用条件が以下の通り。

  • 他社からMNPにより転入し、デュアルタイプかつ3GB以上のコースを新規で申し込み
  • mineoを利用中の方(デュアルタイプかつ3GB以上のコースである方を除く)で、申し込み期間中にデュアルタイプかつ3GB以上のコースに契約変更の申し込みをされた方

単純な新規は対象外で、MNPが対象です。これは発表会でも言っていたように格安SIM業界自体の伸びが少なくなり、今後はシェアの奪い合いになるということを反映しているのでしょう。単純な新規を除いたのは短期解約を少しでも減らそうとの考えではないでしょうか。

契約変更でも対象となるのは面白いですが、mineoは3GB未満のコースと言うと500MBのコースだけです。500MBと3GBの料金差は200円なので、キャンペーン期間だけ3GBにしても通常よりも安くなるので、キャンペーンが終わったらまた500MBに戻る気がします。

ただmineoで500MBの契約というと、節約スイッチを常時オンにして低速ばかりを使っているユーザーが多いのではないでしょうか。(完全に想像です)
なのでその層をこのキャンペーンで釣って3GB契約させ、高速通信の味を覚えさせて低速に戻せないようにする…という狙いなのかな?と想像します。

低速通信を500kbpsに増速するパケット放題

3月3日からは、月額350円で「mineoスイッチ」ONの時の通信速度を、通常最大200kbpsのところ最大500kbpsに増速するオプション「パケット放題」が開始します。

これ、「低速時の速度を上げるオプション」なのに「パケット放題」と言ってるのが個人的には気に入らないです。UQ mobileの「SNSデータ消費ゼロ 節約モード時(送受信最大300Kbps)」と同じようなものですが、どちらも気に入らないです。

まぁそれはいいです。

この500kbpsに増速するオプションはなぜやるのか、です。単にユーザーの利便性を考えてのことでしょうか?価格的には+350円で低速500kbpsというのはなかなかお得です。

UQ mobileにも「データ無制限プラン」という送受信最大500kbpsで月間データ容量無制限というプランがあります。これが月額1,980円です。しかもデータのみで音声通話はできません。mineoはAプラン500MBが700円なのでオプション足しても1,050円です。音声通話できるようにしても500MBの高速通信付きで1,310円+350円で1,760円です。500kbpsで充分ならUQ mobileよりもmineoの方がお得です。UQ mobileの大きなメリットである速度についても500kbpsなら同じですしね。

ここから考えるのは、オプション料金で儲けるためにこのオプションがあるわけではないだろう、ということです。

少し話は変わりますが、低速時の挙動については、昨年OCN モバイル ONEも新コースで変化がありました。OCN モバイル ONEでは基本容量を使い切ったり節約モードをオンにした場合に200kbpsの低速通信に切り替わりますが、新コースではその状態で基本通信容量の半分(3GBコースの場合1.5GB)を基準として、それを超えると200kbpsを下回る速度(それでもLINEなどテキストのメッセージは通常使用できる程度)に制限されます。

これは常に200kbpsの低速状態で使ってる人を締め上げるようなものです。あくまで基本は高速通信であり、低速通信で延々と通信されるのは望ましくないのはわかります。これによって適切な容量の高速通信を使ってくれということです。

mineoの今回の新オプションはOCN モバイル ONEが低速通信の常時利用者に対して厳しくしたのと逆のように見えます。200kbpsが500kbpsになるのだから嬉しいことですよね。実際mineoは前々から「私は500MB契約で常にスイッチオンで運用してます!」という人がけっこういました。(目立ちました。)その人達にも今回のオプションはかなり好印象のようです。

mineoとOCN モバイル ONEは逆なのか?私もはじめはそう思いましたが、実はどちらも向かう方向は同じではないのか?と思い直しました。

よく言われていることですが、どうも格安SIMで一番困るのは「低速状態で延々と長時間帯域を使うこと」らしいです。それよりもサッと通信を終えてそこを開けてほしい、と。そのためにバーストモードという最初の数十KBだけ高速通信できる機能があったりします。

つまり、今回の500kbpsも結局はそれで、200kbpsで延々通信してた人たちの速度を500kbpsにして、ムダに長時間居座らないようにしてもらうという狙いなのではないでしょうか。それが回り回って高速通信の速度低下を防ぐことになります。

mineoとOCN モバイル ONEは逆に見えてどちらも「200kbpsで長時間通信する人(時間)を減らす」という目的に向かっているのではないでしょうか。パッと見で受ける印象は逆ですけどね。

まぁ、そんな思いとは別に、500kbpsで延々と動画を見続ける人とか当然いると思うので、それがどうなるのか…。

mineoのねらい

いくつかのキャンペーンや新サービスがありますが、けっきょくmineoのやりたいこと、目指したいものは「混雑時間帯に使う人、帯域を圧迫する原因を取り除いて高速通信の低下を防ぐ」ということなんじゃないでしょうか。以前のエココースも同じですよね。

潤沢な資金があれば、高速通信の帯域をもっともっと購入できるのでしょうが、なるべく無駄をなくすためにもこういった方策になっているんだろう、と想像します。良くも悪くもユーザーを巻き込んでやるのはmineoらしさがありますよね。

そういえば、mineoって様々な独自サービスがあって、それが魅力でもあるんですが、いつまでもそれが真似されることなく独自なんですよね。格安SIMでのなんらかの機能って、データ繰り越しだとかバースト機能だとか、カウントフリーだとか、良さそうなものはわりとほかが真似するんです。でもmineoのフリータンクなど、真似されにくい傾向にあると思います。

これは良いことなのか、ほかのMVNOから見て有効でないと判断されてるのか、どちらなんでしょうね。今回の「ゆずるね。」「500kbps増速オプション」この2つは真似されるんでしょうか?

まとめ

ただの想像でウダウダと書き連ねてきました。mineoの発表会から数日で、いろんなところで単に新サービスの発表という以上に話題になっていて、私も頭の中でいろいろ考えました。

mineo、どうなるんでしょうね。がんばってほしいです。

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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