HUAWEI nova lite 2 使用1ヶ月レビュー:トレンドを抑えつつしっかり「使える」真のエントリー機

2月9日より発売されたHUAWEI nova lite 2を購入し、約1ヶ月ほど使ってみました。「エントリースマホの常識を変える!」と豪語していたその言葉が本当だったと思い知るとともに、これを基準としてしまったら他のメーカーはかなり困るだろうな、そんな思いにさせられるスマホでした。
もちろん欠点もないわけではないので、そのあたりも含めてレビューしていきたいと思います。

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トレンドの18:9ディスプレイ搭載

HUAWEI nova lite 2は5.65インチ、2160×1080 FHD+ディスプレイを搭載したエントリー向けスマホです。エントリー向けでありながら2017年以降のトレンドである縦横比18:9の縦長ディスプレイを搭載しているのが大きな特徴の1つです。

18:9のディスプレイにすることで、縦方向に画面内の情報量が増え、横画面にしてマルチディスプレイにしたときはちょうど1:1の画面が2つ並びます。

フルディスプレイや超挟額とはいいませんが、ベゼルはかなり小さくなっており、これだけでも「本当にエントリースマホ?」と言いたくなるくらいです。

持ちやすく手に馴染むデザイン

5.65インチということで大きくて持ちにくいと想像されるかもしれませんが、実際はかなり持ちやすく感じます。ベゼルの狭さや縦長ディスプレイなのでインチ数からの印象よりも実際の横幅が約72mmと狭いこと、そして側面の丸みがいいのだと思います。

また、重量も約143gとこのサイズにしては軽いほうです。

背面はアルミで、ガラスに比べると指紋はつきにくく、ひんやりスベスベした感触です。
指紋センサーもファーウェイ端末らしくかなり反応が早いです。

1つ惜しいのはUSBがType-CではなくMicroUSBだというところでしょうか。現状まだMicroUSBを使った製品は多いのでそれらに合わせればエントリースマホとしてはそれでいいのかもしれませんが、今後を考えるとType-Cが欲しかったような。

HUAWEI nova lite 2のスペック

簡単なスペックは以下のとおりです。より詳しいものは公式サイトをご覧ください。

OS Android 8.0 Oreo/EMUI 8.0
CPU HUAWEI Kirin 659 オクタコアCPU (4 × 2.36GHz + 4 × 1.7GHz)
RAM 3GB
ストレージ 32GB
外部メモリ microSDXC (最大256GBまで)
ディスプレイ 5.65インチ 2160×1080 (FHD+)
カメラ メインカメラ(ダブルレンズ): 1300万画素 + 200万画素,LEDフラッシュ,像面位相差 + コントラスト AF
インカメラ: 800万画素 ,FF
バッテリー 3000mAh
サイズ 約150.1 × 72.05 × 7.45 mm
重量 約143g
ネットワーク FDD LTE:B1/3/5/7/8/19/20,
WCDMA:B1/2/5/6/8/19,
GSM:850/900/1800/1900MHz,
セカンダリーSIM:GSMの上記周波数(音声通話のみ)
SIM:Nano SIM*2″

エントリースマホですがRAMは3GBあり、ストレージは32GBです。エントリースマホでは未だにRAM2GBというものも当たり前のように出てきますが、3GBあれば今のところは十分でしょう。ストレージ32GBはだんだんキツくなってくると思いますが、Micro SDカードも使えるのでうまくやりくりできる範囲でしょう。

各種ベンチマーク結果は以下の通り。

他いくつかと合わせてまとめると以下のようになります。

SoC Antutu Geekbench 3DMark
Single Multi Battery
Huawei P9 Kirin 955 133470 1608 6008 2312 962
Huawei nova lite 2 Kirin 659 89093 941 3731 3259 317
Huawei P10 lite Kirin658 77035 857 3341 3267 414
ZenFone 3 Snapdragon 625 76526 861 4111 2714 464

これまでのベンチマーク結果は以下のページにまとめています。参考にどうぞ。

3D描画が重くてスペックが必要なゲームは別として、通常の使い方であれば不便を感じることはありません。エントリースマホというと「かんたんなブラウジングやメッセージアプリなどなら十分です」といった記述をよく見かけますが、実際は「できるけど、価格を考えれば十分だけど、快適とは言えない」というものです。それがHUAWEI nova lite 2ではそういったものよりは明らかに1つ2つレベルが上だと感じます。今までのエントリースマホのレベルではなく、ミドルレンジに近いものを感じます。

好みは別れるが悪くないEMUI

ホーム画面はデフォルトではドロワーのない、すべてのアプリが表示されるタイプです。
面白いのは、通知領域がほかに通知が1つもない場合で開くとクイック設定パネルがすべて開いた状態となることです。上の画像では5列2行で10個のパネルが見えますが、何かしらの通知がある状態で開くと1行目だけ見える状態で開かれます。

ドロワーのあるタイプのホーム画面にも変更できます。この変更がシステム設定画面ホーム画面のスタイルというところにあるので、若干見つけにくいかもしれません。
また、ドロワーはアプリごとの非表示設定などないので、Nova Launcherなどと比べると使いやすいとは言えません。

このほか、ファーウェイ端末では初となる「顔認証」がアップデートで追加されたり、Facebookなどで2つのアカウントでログインできるようにする「ツインアプリ」、ナビゲーションバーのボタン並び替えに表示切り替え、ナビゲーションバーと同じ機能を持つ動かせるボタンの「ナビゲーションバー」など、便利な機能があります。

このファーウェイ端末のEMUIは基本的に悪くないと思うのですが、Android標準から見るとかなりカスタマイズされており、好みが分かれるところだと思います。好みで言えば私は好きではありません。妙に角が丸いUIだったり、ダイアログ類が下に表示されたり、ホームアプリをなどデフォルトアプリに関するアプリをインストールするとそれまでの設定に限らずデフォルトアプリ設定がリセットされてしまうところなど、不満がそれなりにあります。

エントリー機なのにダブルレンズカメラ搭載

HUAWEI nova lite 2の背面カメラはダブルレンズカメラです。これも2017年以降のトレンドではありますが、エントリー機でダブルレンズはなかなか珍しいです。いくつか撮影した写真を載せておきます。(サイズのみ加工しています。)

左:通常撮影 右:ナイスフードモード

食べ物系は基本的に「ナイスフードモード」で撮影したほうが良さそうです。多少強調されずぎて不自然に見えないこともないですが、どちらが美味しそうかと言えばナイスフードモードです。

全体的に、めちゃくちゃいいわけではありませんが、悪いとも言えない、合格点は出せるカメラだと思います。SNSへの投稿も、フィルタ加工前提だとすれば何の問題もありません。

このほか、あとからフォーカスの合う場所を変えられるワイドアパーチャ機能や、人物を検知して背景をぼかすポートレートモードなどもあります。ポートレートモードは顔を検知しないと効果が出ないので、人を撮らない人には無意味かもしれません…。モノにはワイドアパーチャ機能です。

P10 liteとの比較

同じファーウェイで価格的にもよく似ているスマホにHUAWEI P10 liteがあります。価格やスペックは似ていますが、違うところも実はけっこうあります。

  • 背面がP10 liteはガラス、nova lite 2はアルミ
    好みがあると思いますが、印象は結構変わります。
  • 持ったときにP10 liteの方が角が当たる
    nova lite 2のほうが丸みがあって、横幅はそう変わらないはずなのにP10 liteのほうが大きく感じます。
  • P10 liteは急速充電・au VoLTE・キャリアアグリゲーション・Wi-Fi 5GHz対応
    いくつかの機能について、P10 liteは対応しているもののnova lite 2は非対応というものがあります。

印象として、P10 liteはこれまでの流れの中でスマホの性能をアップし、機能などを着実に増やした廉価機という印象。nova lite 2は18:9ディスプレイやダブルレンズカメラなど、外から見えて分かりやすいトレンドを取り入れて、そのぶん見えないところを省いて価格を抑えた廉価機という印象です。

どういった面を重要視するかは人によります。2種類あることでそれを選べるのはいいですね。どちらも欲しいのであればエントリー機よりも上のものを選べばいいのです。

HUAWEI nova lite 2の気になるところ

HUAWEI nova lite 2は基本的にエントリー機ながらサクサク使えて、トレンドも抑えた良機だと思います。ただ気になる点ももちろんあります。

Chromeの表示が粗い

左:Chrome 右:Firefox

なぜかは分かりませんが、Chromeでの表示が粗くなります。ほかのFirefoxなどでのブラウザ表示は普通なのに、Chromeだけが粗いのです。これは普通に使っていて粗いのがあきらかにわかるレベルで、HDとFHDの差よりも大きく感じます。

左:Chrome 右:Firefox

これは今後のアップデートで修正されるかもしれませんが、現状では私はChromeではなくFirefoxを使用しています。

スクリーンショットがjpg

これは大したことではないのですが、スクリーンショットがjpgで保存されます。これまではP10 liteもpngで保存されていたのですが、なぜかjpgです。特に変更するオプションもありません。まぁ別にjpgでもいいんですけど。

まとめ:変わるエントリースマホの常識

最後に少し残念な点も書きましたが、HUAWEI nova lite 2は確かにエントリースマホの常識を変える機種だと感じます。この1ヶ月、このスマホを使っていて特に不便と思うことも、重くてイライラすることもありませんでした。普通に使えてしまっています。

エントリースマホというと、安いけどスペックは抑えられカメラは貧弱、「ウェブ閲覧やSNSなら問題ない」とごまかすような物が多かったと思います。ただそれらは本当に「エントリー」として正しいのか?そんなスマホが初めてのスマホだったとしたら、スマホに絶望しないのか?(絶望させてハイスペックなものを買わせよう、という意図ならわかる)

HUAWEI nova lite 2であれば、本当にストレスなく一通りのスマホ体験を楽しめるでしょう。急速充電やキャリアアグリゲーションなど、目にくいけど重要というものは省かれていますが、それらを今後のステップアップとしても遅くはないと思います。最初のスマホがHUAWEI nova lite 2ならば、いいスタートが切れるのではないか、そんな期待が持てるスマホだと思います。

正直、この価格でこれだけ使えてエントリー機となると、他社がかわいそうだったり心配になってしまいます。今後の「エントリー機」はどうなるんでしょうね。

参考情報

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

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スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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