AQUOS R Compact SH-M06 レビュー:メイン機として長く普段使いできそうな良コンパクト機

2018年1月下旬にSIMフリースマートフォンとして発売されたAQUOS R Compact SH-M06を発売日から約1ヶ月、メイン端末として使ってきました。幅66mmのコンパクトボディ、三辺狭額で前面カメラ部の切り欠けもあるフリーフォームディスプレイ、なめらかな描写のハイスピードIGZOなど、いくつも魅力的なポイントのある端末です。

1ヶ月実際に使ってみて実際の使い心地など固まってきましたのでレビューしていきます。基本的に悪くない端末であり、コンパクト機が好きな方にはオススメできますが、細かい不満もあります。

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コンパクト機の絶妙なサイズ感と持ちやすさ

AQUOS R Compact SH-M06のディスプレイは、自由な形状を実現できるフリーフォームディスプレイ技術を使っており、これにより三辺狭額でサイズいっぱいの画面を実現しています。これのおかげで4.9インチというディスプレイを持ちつつ、横幅66mmというコンパクトなサイズとなっています。個人的な趣味もありますが、やはりこれくらいのサイズが持ちやすく、ちょっとした時に持ち出す相棒としてちょうどいいと感じます。

持ってみると若干厚みを感じますが、コンパクト機はむしろ多少の厚みがあったほうが持ちやすいとも言います。また、AQUOS R Compactは側面の中央部分が盛り上がる形をしており、この形状もまた持ちやすさ、机の上に置いた端末を取り上げるときの掴みやすさを上げています。

背面は樹脂製ですが、側面はアルミフレームで、持った時に感じる高級感をアップさせています。反射の少ないアルミフレーム部分と光沢のあるダイヤモンドカット部分の組み合わせも上質さを感じます。

端末の重さが140gで、持った時に印象よりも重く感じます。欠点でもあるのですが、この重さがギュッと「詰まった」ものに感じられ、重さから来る高級感にもつながっているように思えます。

切り欠けは実用上問題なし

AQUOS R Compactの大きな特徴でもあり、誰もが気になるであろう画面上部の切り欠け(ノッチ)ですが、これは慣れるとほぼ気になりません。切り欠け部分を除いた領域で従来の16:9の画面比率となるので、これによって普通は表示できたはずのものが隠れて困る、ということはありません。

切り欠けにより隠れる部分があるというよりも、このおかげで画面をいっぱいに広げられた、というメリットのほうがよく感じられます。コンパクト機でありながら精一杯広げたディスプレイにより画面の狭さを感じさせない、というのは小型端末の弱点をうまく解消してくれています。

十分なスペックと快適な動作

AQUOS R Compact SH-M06のスペックは以下の通りです。

OS Android 8.0
CPU Qualcomm® Snapdragon™ 660(SDM660)
2.2GHz(クアッドコア)+1.8GHz(クアッドコア) オクタコア
RAM 3GB
ストレージ 32GB
外部メモリ microSDXC (最大400GBまで)
ディスプレイ 4.9インチ 2,032×1,080 (FHD+)
カメラ 背面:1,640万画素 前面:800万画素
バッテリー 2,500
サイズ 約132×66×9.6mm
重量 約140g
対応バンド LTE : Band1(2.0GHz)、Band3(1.7GHz)、Band8(900MHz)、Band17(700MHz)、Band19(800MHz)、Band26(800MHz)、Band41(2.5GHz)、Band42(3.5GHz)
3G : Band1(2.0GHz)、Band6(800MHz)、Band8(900MHz)、Band19(800MHz)
GSM : 850/900/1800/1900MHz

決してハイエンドではありませんし、できればRAM4GB、ストレージ64GBだと嬉しかったのですが、実際の動作は快適で、スペックからの印象よりも良く感じられます。

Androidバージョンは8.0で、現在既にAndroid 8.1が出ていますが、ほぼ最新と言ってもいいでしょう。発売後、2月14日に最初のアップデートが来て、セキュリティパッチレベルは2018年2月1日となりました。発売日から2年間、最大2回のOSバージョンアップを約束しているので、そういった面でも安心できます。

ベンチマークテスト結果では、Antutuのv6で105992点。10万点を超えるとは思っていなかったのですが意外と高得点でした。v7で再テストしてみると126188点でした。Geekbench 4ではSingle-coreで1628、Multi-coreで4560ポイントでした。

3DMarkによるテストではSling Shot Extremeで1318ポイント、Geekbench 4のバッテリーテストでは3215ポイントです。大まかな範囲で言えばミドルレンジ、ミドルハイに入ると思うのですが、その中でも上位に入ると思います。

ベンチマーク結果については、他機種との比較をまとめていますので、そちらも参考にどうぞ。

実際の動作では特に引っかかりを覚える場面もなく、スムーズに動作します。大抵のゲームアプリでも問題なくプレイできます。

親切で便利な機能がたくさん

AQUOS R Compact SH-M06はSIMフリースマホですがおサイフケータイに対応しており、そのほかにもIP6Xの防塵、IPX5/8の防水性能があります。私も最近はモバイルSuicaに電子マネーと、おサイフケータイをよく使っているのでメイン端末としてはもはや必須機能があるのは嬉しいです。

また、SHARPならではの便利機能も多数あります。画面上部をなぞってスクリーンショットを撮るClip Now、長いウェブページのながら読みに使えるスクロールオート、持ち上げたことを感知して画面が点灯する持つと画面ON、手袋をしたまま操作できるグローブモード、横から画面を覗かれるのを防ぐのぞき見ブロック、バッテリーを節約する長エネスイッチなど、細かいところで役立つ機能がたくさんあります。地味に便利ですよ。

指紋センサー部分はナビゲーションキーの代わりとしても使えます。タップや長押しではホームボタンと同様の動きとなり、センサー状を左になぞると戻る、右になぞると履歴キーと同じ動きとなります。

ちょっと慣れないと左右どちらだったか戸惑ってしまいますが、このお陰でナビゲーションバーを画面から隠しても操作に不便はありません。その分画面を大きく使えるのが嬉しいですね。

十分に満足できるカメラ

AQUOS R Compactの背面カメラは焦点距離25mm相当の広角レンズで1,640万画素、位相差AFとコントラストAFのハイブリッド型ハイスピードAFとなっています。

最近の流行りの「ダブルレンズで一眼レフに迫るボケ味バッチリな写真」ではありませんが、自然でしっかりとした写真が撮れます。

写りの良さだけでなく、カメラにも様々な便利機能があります。

モード選択

モード選択では、「料理モード」「夜景モード」のような分かりやすいものはなく、オートかおすすめプラス、そしてその他にタイムラプスやバーコード読み込みなどがあります。QRコードの読み取りアプリもたくさんありますが、最初からカメラに機能がついていると便利ですよね。

おすすめプラスでは各種の値を自分で設定してこだわりの写真撮影が可能です。水平かどうかを示す線が出るのがなかなか便利です。これを使えば斜めってる写真が減ります。

14種類もあるガイド線

写真の構図を考えるのに便利なガイド線が14種類と充実しています。基本的な三分割のほか、ファーウェイ端末にもよくある「フィボナッチ」、そしてその線にお皿のフチを合わせると良い構図になるという料理系が3つもあります。ここまで充実しているのはほかにはあまりないのでは?

インテリジェントフレーミングで構図補正

インテリジェントフレーミングをオンにしておくと、自分で撮った写真の構図を補正してより良くしてくれます。オリジナルと補正後と比べながらどちらを保存するか選べるので、構図の勉強にも良いと思います。

細かい不満点

ここまで1ヶ月弱ほど使ってきましたが、微妙に不満点も出てきました。使い方や人によっては気にならない物かもしれませんが…。

ステータスバーの表示が気になる

AQUOS R Compactは前面カメラ部分の切り欠けがある関係で、ステータスバー周りの表示が普通のAndroid端末とは異なっています。

上記記事でも書いたのですが、このステータスバー周りの表示がいくつかパターンがあり、けっこうバラバラなのが気になります。

特に気になるのが、右図のように切り欠けのある領域が上下2分割されて上半分の色が変わる場合です。同じアプリの表示でも、その時によって表示が変わったりするのでなおさら気になります。カメラ部分については気にならないのですが、その周りの表示が気になるのは予想外でした。

スクロールが遅く感じる

画面をフリックしてスクロールさせる時のスクロール量がどうにも慣れません。指を離した直後にスクロールが急に減速してしまい、なかなか進まず、何回も何回も指を動かさなければならない、という印象です。指を思いっきり振るようにするとたくさんスクロール刷るのですが、片手持ちで親指だけでスクロールしようとすると何か足りないのか、なかなか進みません。

メディアによってはこのあたりの動きを「指に吸い付くような」といった表現をしているのですが、どうにもイライラします。感覚的というよりも、なにかおもりを付けているような、制限がついているような印象があります。吸い付くというか吸着しすぎ?

このあたり、ハイスピードIGZO(なめらか倍速表示)の設定のせいなのかな?と思ってオンオフしてみたのですが、特に変わらず。


今のところの不満点はこれくらいでしょうか。基本的には気に入っているのですが、どの場面でも目にするステータスバーに不満点があるのが困りものです。ソフト的なことなので、今後のアップデートでなんとかしてくれるとありがたいのですが…。

まとめ

AQUOS R Compact SH-M06はコンパクト機ながらいっぱいに広がったディスプレイで画面の狭さを克服し、おサイフケータイなど必須機能も揃っています。スペック的にはミドルハイと言ったところですが、コンパクト機ならではの使いやすさ、2年間のOSバージョンアップ保証など、長く使える端末だと言えるでしょう。

ただ、良い端末だとは思うのですが、やはりネックとなるのは価格です。SIMフリー版で約7万5千円です。ハイエンドよりは安いけど、ミドルレンジの中では高め、価格もミドルハイです。これが5万円台だったらお買い得、6万円台でも納得なんですが、7万円を超えると、これは躊躇してしまいますよね…。

何はともあれ、大画面化するスマホの中で数少ない「使える」コンパクト機です。やはりこのサイズ感は馴染みます。スマホで映画などをよく見る、大画面でのエンタメが主目的だ、という人には向かないですが、道具として生活のパートナーとしてであれば、AQUOS R Compact SH-M06は十分にオススメできるスマートフォンです。

参考情報

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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