HUAWEI P9 使用1ヶ月レビュー:期待以上に使えていつのまにかメインに成り上がった良機種

7月のはじめにHUAWEI P9を手に入れて約1ヶ月が経ちました。最低限のレビューは既に書きましたが、この1ヶ月、特に意識はしてなかったのですがほぼ毎日使ってきたので、ここでもう一度振り返ってレビューしてみようと思います。

まず結論的なことを書いてしまいますが、今ではHUAWEI P9が私のメインになりつつあります。完全に移行したというわけではないのですが、「これからのメインはこいつだ!」と特に意識していたわけでもないのに、いつの間にかその位置にあったスマホ、それがHUAWEI P9です。
月に1,2台の新しいスマホがやってきて、試してはみるものの結局メインはずっと変わらないという私にとって、「いつのまにかメインにいた」というのはスマホに触れてから約6年、これが初めてのことであり、脅威でもありました。

一度レビューした端末を後から再びレビューするというのは滅多にないのですが、自分の考えを整理するためにも今一度、HUAWEI P9の特徴、良さや気になるところを見ていきたいと思います。

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無難ながら上質な外観と持ちやすさ

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HUAWEI P9の外観は、正直それほど大きな特徴があるとは思いません。最近のトレンドというか、よくある要素が詰まっているのではないかと思います。何の真似だとかは言いませんが、まぁどこかで見たことがあるような。

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一番特徴があるのは、やはり背面のカメラ部分でしょうか。ここがこの機種を象徴する面になっていると思います。一枚板のようなスッとしたカッコよさはないのですが、アクセントとしてはいい味出していると思います。

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サイドから見た時が、一番上品さを感じます。なかなか気に入っている角度です。ボタンはどちらも押しやすい位置にありますが、電源ボタンの方は表面に加工がしてあるので、間違えることがありません。小さな差ですが、こういったことはありがたいですね。

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HUAWEI P9は5.2インチのディスプレイを持っています。横幅は約70.9mmです。5インチを超えてくると片手での操作は厳しくなってきますが、持つというだけなら持ちやすくできています。角が若干丸くなっているので持った時の引っかかりもありません。約6.95mmという薄さも感じることができます。

これまではXperia Z3 Compactを使っていたので5インチ以上はやはり操作しにくさがあって避けていたのですが、意外と使えるな、というのを感じています。

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持っていて落とすことは無かったのですが、それでも落としてディスプレイを割ってしまうことがありました。(→参考
それからはカバーを付けるようにしています。これは正直すぐに外してまた裸で使う予定でいたのですが、思ったよりもグリップ感が良くなったので継続してそのまま装着しています。

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プラスチックのケースを装着すると背面はドット柄になります。なんだかGalaxy S5を思い起こさせますが、わりと気に入っています。スーッとしたメタルな背面と、プラスチックの吸い付くような持ちやすさと、どちらも良さがあり、時々切り替えることで楽しんでいます。

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外観については、特別カッコいいというわけではありません。しかし全体的に見てうまくバランス取れていてしっくりくる、丁寧だな、と思わせる作りです。

EMUIには、満足していない

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HUAWEI端末に搭載されている、Androidをベースにした独自のEMUIですが、やはり通常のUIと違うところがあって慣れない部分もあります。

ホーム画面

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ホーム画面はデフォルトでは1レイヤー形式なので使ってません。いつも通りNova Launcherを使っています。HUAWEIホームはテーマを切り替えることができますが、デフォルトで用意されているのは少ないですし、どうやらネット上から新しい物をダウンロードできるようですが、スマホ上からはそれが分かりません。スマホ上だけだとこの数は少なすぎます。

設定画面

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設定画面のデザインはスッキリしていて好きです。ただ、項目の並びについては、慣れもあるのかもしれませんが戸惑います。1ヶ月たっても慣れていません。使いやすいとは思えていない状態です。何かやりたい時にいちいち探している状態です。(検索使えよ、という話かもしれませんが、2,3段階の階層にあるものを検索で探すのもなぁ…と思ってます。)

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私が一番よくアクセスするのが「バッテリー消費量」と「データ通信量」です。ですが、このバッテリー消費量には設定から最下部あたりにある「詳細設定」→「バッテリーマネージャー」→「消費電力詳細」と進まなくてはなりません。けっきょくBattery Mix入れてそちらで見ています。

もうちょっとアクセスしやすいところに置いてくれないかな?と思うのですが、わざわざカスタムしたUIで、こんな奥まったところに置いたということは、ここにアクセスする人が一般的には多くないということなのかもしれません。

なんだかんだで、ほかの端末に比べて設定画面を開く頻度は少ない気がします。

アプリ履歴(タスクマネージャー)

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タスクマネージャーについては、画面が大きく表示される、横並びのレイアウトです。これもそんなには気に入ってなくて、普通のAndroidのカード型のほうが好きです。
何かアプリを開いている時にタスクマネージャーを呼び出すと、今開いているものの隣にあるものが中央に来ます。「別のアプリに戻る」という目的で開くのならこれでいいというか親切なのですが、私の場合「今使っているアプリ(というかポケモンGo)を終了させる」という目的で使うことが多かったので、今使ってるアプリが正面に来てほしかったです。…いや、これは私の使い方が問題なんですが…。

プリインストールアプリ

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プリインストールアプリについては、余計なものは特に入っていない印象です。ただしファイラーやギャラリー、天気に音楽など基本的な、そして必須のアプリについては用意されています。

しかし私もAndroidスマホを使ってもう6年になろうとしている者です。さすがにそれぞれお気に入りのアプリ等あるので、これらデフォルトアプリ群は使っていません。

指紋認証は速い

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以前単体で記事にもしましたが、HUAWEI P9の指紋認証は速いです。
センサーに触れただけで即画面が点灯します。これはなかなか気持ちいいレベルです。

ただ、やはり背面にあると、机の上に置いた状態から画面をつけるときに非常に面倒です。普段の指紋認証が簡単で速いからこそ、それ以外の時にパターン入力などが面倒に感じます。結局指紋認証は使ってません。スライドで開くだけにしています。
このセンサー部分をスライドすると通知領域を開けるといった機能もあるんですが、こちらも使っていません。

ナックルジェスチャーはイマイチ

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HUAWEI端末の面白い機能の1つとして「ナックルジェスチャー」があります。これは指の関節部分でタッチするとそれを普通のタッチとは区別して認識し、指定した動作をするというものです。指関節で2回タッチするとスクショ、S字を書くとスクロールスクリーンショットとなります。

…が、これも使ってません。精度がイマイチなので、だったら普通に電源+音量下のほうが早いからです。

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スクロールショットは、普通のスクリーンショットのメニューからも選択できますしね。(ただ、このシェアなどのメニューが出る画面が長くて、連続してスクリーンショットを撮りたいときは面倒です…。)


…。

…。

…なんだか、ここまでイマイチな部分しか書いてない気がしますね。違う、違うんです。私はHUAWEI P9かなり気に入ってるんです。そう、これまでの2,3日使ってだけの紹介でしか無いレビューではわからなかった良さがHUAWEI P9にはあるんです。

HUAWEI P9のスペック

ここまではHUAWEI P9の特徴的な部分に触れてきましたが、基本に戻ってまずはスペックを確認してみましょう。

OS Android 6.0 (EMUI4.1)
CPU HUAWEI Kirin 955 オクタコア
(4 x 2.5GHz A72 + 4 x 1.8GHz A53)
RAM 3GB
ストレージ 32GB
外部メモリ microSDXC (最大128GBまで)
ディスプレイ 5.2インチ 1080×1920 (FHD)
カメラ メインカメラ : 1200万画素 x 2 (開口部F2.2 / AF / 2色flash)
インカメラ : 800万画素 (開口部F2.4 / FF / BSI)
バッテリー 3000mAh
サイズ 約145 × 70.9 × 6.95 mm
重量 約144g
センサー 加速度、コンパス、ジャイロ、環境光、近接、 HALL、指紋
通信方式 FDD-LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/17/19/20/26/28
TDD-LTE:B38/39/40
LTE CA DL (カテゴリ6) : B1+B19/B3+B19/B1+B3/B1+B8/B3+B8
W-CDMA:B1/2/4/5/6/8/19
GSM:850/900/1800/1900MHz
Bluetooth®通信:Bluetooth v4.2 with BLE
Wi-Fi:Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac準拠 (2.4/5.0GHz)
テザリング機能 / 最大接続台数:8台

ベンチマーク

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AnTuTuとGeekBench3でのベンチマーク結果です。AnTuTuは端末の状態によっては90000点を超えるようですね。ハイエンドには及びませんが、かなり上位にあると思います。

実際使っていて、特に引っかかりを覚えることもなく、快適に使えています。私はAnTuTu30000点以下の端末でも普通に使えれば充分と考えているのでそこまでP9がヌルサクだとか、そのあとに格安スマホを使ってガクガクだとか思うことはないのですが、とりあえず今のところ不自由なく使えているのが嬉しいです。

簡単に満足できるカメラが良い

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HUAWEI P9の一番わかり易い特徴はやはり「カメラ」です。ライカの強力で開発されたというダブルレンズは外観からして特徴的ですよね。
RGBとモノクロームの独立した2つのセンサーはより多くの光を取り込みます。

RGBセンサーより取り込んだ色彩情報と、モノクロセンサーより取り込んだ陰影やディテールをP9独自のアルゴリズムで融合し、豊かな色彩と細やかな表現力を併せ持った深みのある一枚を産み出す。

2つの1200万画素/1.25µmピクセルサイズのイメージセンサーが暗い場所での撮影を可能にし、IMAGEsmart 5.0の技術が美しい画像を実現する。
Huawei P9 Smartphone | Huawei

詳しいことはよくわかってないのですが、あまり考えずにそれなりに素敵な写真が撮れます。作例については以下の記事も参考にしてください。

カメラのUIと設定

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これがHUAWEI P9のカメラ起動した画面です。3分割の線などは選択して表示可能です。
タップした場所に焦点が合うのはよくありますが、長押しして指をずらすと、焦点位置と明るさを決める地点を別の場所で測定することができます。これ、意外と活用できる場面があるかもしれません。

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左から右にフリックするとモード選択になります。よくある「料理モード」のようなものはありません。(P9 liteにはあるようです。)そのままで料理も美味しそうに撮れるぜ、ということなんでしょうか。

シャッターボタンの上の楕円を引き上げるとPROモードとなり、露出などを自分で調整できます。

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設定項目はこの通り。
必要な物は充分に揃っています。要望を言うとすればシャッター音のオフ機能でしょうか。それほど気になる音でもないですが。

ライカ監修のフィルムモード

HUAWEI P9のカメラにはライカのフィルムカメラで撮影したような風合いを再現する「フィルムモード」があります。「標準」「鮮明な色」「ソフトな色」の3つがあり、それぞれ微妙な雰囲気の違いがあります。

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標準
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鮮明な色
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ソフトな色

あとから焦点位置を変更できるワイドアパチャー効果

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「ワイドアパチャー」という機能をオンにして撮影すると、あとから焦点位置と絞り値を変更することができます。これもダブルレンズで撮影しているお陰です。

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絞り値は(あくまで擬似的なものですが)F0.95からF16まで変更できます。
この写真は手前のミネアに焦点を合わせたものです。絞りの数値を小さくするほどボケが強くなります。

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こちらは同じ写真からキングレオに焦点を合わせたものです。同じ写真からこのように複数の焦点位置で別の写真を作り出せるのは面白いですよね。

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絞り値をF16にすればボケはほとんど無くなり、全体を見ることができます。

今回撮影したジオラマのように、焦点位置を変えることで写真内の主役を変えたい、という時には1回の撮影で済むので非常に便利です。

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ただ、この機能もあくまでソフトウェア的に処理しているだけなので完璧ではありません。上の写真では勇者の上半身と下半身でボケ具合が全く異なります。足に焦点を合わせると上半身がボケてしまいます。
まぁ、便利な機能にも万能ではなく使いどきがあるということですね。

簡単に満足いく写真が撮れるのが良い

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HUAWEI P9は細かくやればいろんな数値もいじれて本格的な写真が撮れるようです。でもそんなことは考えずに適当に撮っても充分に満足のいく写真が撮れます。

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今まではXperia Z3 Compactをメインにしていましたが、どちらかと言うと色温度が低い写真になってしまい、食べ物系があまり美味しそうに撮れないんですよね。それがP9なら何も考えずに、とくにモード変更しなくても美味しそうに撮れます。

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食べ物を美味しそうに撮れるようになると、外食も楽しくなりますし、その時の思い出が美しく記憶される気がします。これまではそういう機会に「食べ物の写真を撮る」という行為そのものが楽しかっただけですが、P9では撮った写真を後から見る楽しみや、それをSNSに投稿する楽しみも増えた気がします。

もともとHUAWEI P9を買おうと思ったきっかけは以下の記事でした。

これはorefolder.net内の記事ですが、私が書いたものではありません。これを読んでカメラ機能に惹かれて急に欲しくなって衝動買いのように買ったのでした。なのでもちろん一番期待していたのはカメラであり、その部分に関しては大満足しています。

カメラが良いと、外に出るときにこのHUAWEI P9を持ちだそうという気になります。メインのスマホではなくても、手軽に撮れるカメラ用として持ち出すことになります。そうしているうちに他のアプリもインストールして、メインとしても使えるようにしていきました。やはり「持ち出す理由」がある機種は強いと感じましたね。

バッテリーの持ちも良い

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バッテリーについても、悪くないと思います。1日出かけるだけだったらモバイルバッテリーを別途持つ必要はそう感じません。

ただ、カメラはなかなか消費電力も高いようです。カメラ動作中は熱も持ちやすいので、「今日は1日写真撮りまくるぞー!」という日にはモバイルバッテリーが必要だと思います。
熱に関しては、ポケモンGoなど他のアプリ起動ではそこまで感じないのですが、カメラでは本当にすぐ熱くなります。まぁこれもケースをつけていれば気にならないです。

やっぱり全体的に使いやすいから使ってしまう

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ここまでこの1ヶ月で感じたHUAWEI P9の言を書いてきました。前半は気に入らない点ばかりになってしまい、書きながら「本当に私はこの機種を気に入っているんだろうか?」と自分で思ってしまったのですが、気に入ってることは間違いないです。

私は2010年からAndroidスマホを使っていて、これまで使ったスマートフォンも60機種を超えます。しかしメインとして使ったものは少ないです。

  1. 2010.05-2011.05…Xperia SO-01B
  2. 2011.05-2012.05…Xperia neo
  3. 2012.05-2012.09…Xperia Sola
  4. 2012.09-2013.12…Xperia P
  5. 2013.12-2015.07…Xperia Z Ultra
  6. 2015.07-2016.08…Xperia Z3 Compact

ずっとXperiaで6台しかメインないんですよね。1年1台くらい。そんな私のメイン機種の座を奪おうとしているのがHUAWEI P9です。特に意識して置き換えているわけではないのですが、最近は持ち出すスマホが自然とP9になっています。伝わらないかもしれませんが、これは凄いことです。

なぜP9がメイン成り得るのか

Xperia Z3 CompactではなくHUAWEI P9を使う理由。それはやっぱり、カメラと、全体的な使いやすさなのではと思います。前半に書いたように、EMUIには多少の不満がありますし、その他の独自機能についてはほとんど使っていません。つまりHUAWEI P9でなくてもいいはずです。しかし使うのはP9です。独自機能は必要ないけど、それ以外の基本的な部分、動きだとかバッテリーだとか、そういう部分が不満なく使えること、そしてカメラも気分良く使える、そういったところが気に入っているのだと思います。

もちろん、Xperia Z3 Compactもまだまだ快適に使えています。そういう意味ではP9は充分ではあるものの置き換えるだけのパワーは無かったかもしれません。だとしたら差はやはりカメラだったのかな、と。持ち出す理由を作ってくれる機能・特徴というのは強いですね。

まとめ

最初にも書いたとおり、私はHUAWEI P9をかなり気に入っています。6万円弱と、格安系を主に買う身としてはなかなか値段が張りますが、その分の価値は充分にあったと思います。最初から期待していたわけではありませんが、期待をいい意味で裏切ってくれた良機種だと思います。

今後もP9をメインとして使い続ける…と言いたいところですが、このあとはちょっとお休みさせようと思っています。先日買ったMoto G4 Plusを全然使ってなく、もう少ししっかり使ってレビューしたいなと思っています。Mi Maxもほとんど使ってないですし、そうこういううちに他の端末も届くはずです。とりあえずカメラ要因としては持ち歩くことになりますが、一段落した時にメインに返り咲くことができるのか、いや、それができる機種だと私は思っています。

こうしたブログだとどうしてもP9 liteだとかもっと格安の端末を勧めがちですが、個人的には最近の3万円前後の端末はそれほど魅力を感じないので、どうせならもう少し出してHUAWEI P9を買ったほうがいいと、オススメはHUAWEI P9だと言いたいです。

  • 本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。
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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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