格安SIMのおすすめと選び方:格安SIM歴9年で25社以上のSIMを使ったベテランが選ぶ今契約すべきMVNO
毎月のスマホ代を安くするには「格安SIM」に乗り換える、というのは最近はよく知られ始めています。
普通に大手キャリアで契約していたら月9,000円くらい払っていたのが、格安SIMに買えたら2,000円くらいになった、というのもよく耳にする話です。実際、私もメインで使用している格安SIM回線は月額料金がたったの1,600円です。
でも「格安SIM」と一口で言っても、それを扱う事業者(MVNO)はたくさんあります。総務省の「平成30年度第3四半期(12月末)電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」によると、キャリアから直接回線の提供を受けているMVNOだけで521もあるんですね。
これだけ多いと、どれを選んだらいいかわからないですよね。でも大丈夫です。格安SIM歴9年、日本のスマホが出始めた頃から格安SIMを使っている私が、その選び方とオススメを教えちゃいます。あなたにピッタリの格安SIMが、きっと見つかりますよ。
更新:
【2019/7/7】速度測定の結果を7月4-5日の最新版に更新しました。
- 管理人が「今」おすすめする格安SIM
- 格安SIMを使う前に知っておきたいこと
- 自分に合った格安SIMの選び方
- 格安SIMの速度比較(2019/7/4-5測定)
- 格安SIMのシェア
- 本当にオススメできる格安SIM
- 格安SIMの基礎知識
管理人が「今」おすすめする格安SIM
細かいごたくはいいから、おすすめを教えてくれよ、という方もいると思います。なのでまずは私がおすすめする格安SIMを6つ紹介します。
この中から選べばどれでもそう後悔することはないと思います。詳しい解説はまたあとで書きます。(青字の格安SIM名をタップで解説部分に移動できます。)
- Y!mobile
- 格安SIM離れした速度で24時間いつでも快適。他社にない取り扱いスマホも魅力。
- mineo
- ユーザー目線で面白い機能がたくさんあります。
- UQ mobile
- auのサブブランドであり、au回線の中ではトップの速さを誇ります。
- b-mobile
- ドコモ回線とソフトバンク回線のどちらも爆速です。使った分だけ支払う料金プランも魅力。
- DTI SIM
- ドコモ回線の中では速度が出る方です。月額2円お試しプラン、なんていうのもあります。
- OCN モバイル ONE
- 1日ごとにデータ量が決められているプランが独特。音楽配信系アプリの通信量がカウントフリー。
ちなみに、実際に私が使っているのは「OCN モバイル ONE」です。1日ごとにデータ使用量制限がリセットされるので気楽なんです。あと、セット契約でスマホがかなり安く買えたから、というのもあります。
格安SIMを使う前に知っておきたいこと
格安SIMを使えば、確かにスマホ代が安くなりますが、本当に自分に合ったものを選ぶのは意外と大変です。満足の行く結果が得られるように、まずは知っておいたほうがいいことを学びましょう。
格安SIMのメリット・デメリット
まずは格安SIMのメリット・デメリットについて、あらためて確認しておきましょう。これをちゃんと頭に入れておかないと、実際に使い始めてから「こんなはずじゃなかった…」と後悔してしまうかもしれません。
格安SIM 4つのメリット
- 月々のスマホ通信代が安くなる
- キャリアにとらわれない自由なスマホ選び
- 自分に合った格安SIMの会社を選べる
- 2年縛りがない(または短い)
格安SIM 6つのデメリット
- 昼などの混雑時間帯は速度が遅い
- 端末の大幅な割引がない(少ない)
- キャリアメールは使えない
- ほとんどがクレジットカードが必須
- 実店舗が少なく相談や修理に困る
- ある程度は自分で調べなければならない
数だけ見ればデメリットのほうが多いです。でもその重要度は人によりけりですよね。自分が何を求めるのか、何は我慢できるのか、それをよく考えて格安SIMにするかどうか決めましょう。なんだかんだでキャリアで契約していれば(月額料金は高いですが)いろいろ楽ですからね。
私も元々は「電話あまりしないし、キャリアの月額料金が高すぎて払えない、とりあえずネットできればいい」という安さ第一で格安SIMを使い始めました。何を自分の一番のポイントにするか、それを決めておきましょう。
自分の使い方を知っておく
たくさんある格安SIMから選ぶためには、自分のことを知らなくてはなりません。「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」なんて言いますもんね。
とりあえず知っておいたほうがいいことは以下のポイントです。
- 電話はよくするのか、無料通話は必要か
- 月に何GBくらい通信するのか
- 通信するアプリは主に何なのか
- 外で動画を見るかどうか
あとは実際に使うスマホがなんなのか、SIMフリーなのかキャリアで使ってたものを引き続き使うのか、というのもありますね。これらをチェックしたら、いよいよ最適の格安SIM選びに入りましょう。
自分に合った格安SIMの選び方
自分に合った格安SIMを選ぶには、以下の4つの視点から見ていくといいでしょう。
- 混雑時間帯における「通信速度」
- 自分の使い方にあいそうな「プラン・コース」
- 納得できる「料金」
- その他の「サービス・機能」
1. 混雑時間帯の速度が快適度を決める
格安SIMの一番の弱点は「キャリアに比べて通信速度が遅い」ということです。特に朝夕の通勤時間帯やお昼休みはかなり遅くなります。
なぜ遅くなるのかと言うと、簡単に言えばみんなが同じ時間帯に一斉に使うからです。格安SIMはキャリアから帯域の一部を借りて運営します。例えるなら10車線ある道路のうち1車線だけを借りるようなものです。使う人が少なければその1車線を高速で走り抜けられますが、たくさんの車が殺到すると渋滞となってしまうわけです。
少ない・狭い道路を一斉に使うから混雑してしまうのですから、ユーザーが少なく、より広い道路を持っている(借りている)格安SIMならお昼時でも高速を維持できるのです。
格安SIMの多くは、「通信網はキャリアのものを使っているので、同じエリアで使えて最大通信速度も同じ」と宣伝に書いてあったりします。これは間違いではないのですが、あくまで「最大の」通信速度です。実際にはキャリアよりもかなり遅いです。そしてMVNOによってその速度も変わってきます。
実際にどれくらいの速度がでるのか、というのは時間帯や場所に大きく左右されます。インターネット上ではこれらの通信速度を実際に測定・比較してそれを公開しているサイトも多くあります。当サイトでも、主要な格安SIMについて毎月2回の測定を行っていますので、参考にしてください。
⇒速度測定の記事一覧 | orefolder.net
速度については、その時その時の結果ももちろん大事ですが、一度速度が落ちた後に設備増強で速度が復活するのか、そこから見えるMVNO各社の「やる気」を読み取ることも大事です。キャンペーン等で一時的に速度が落ちても、すぐに復活してくれれば乗り換える必要もありませんしね。
主要な格安SIMの最新の速度測定結果についてはこのページでもあとで書きますが、いつも速い結果を出すのはだいたい以下の格安SIMです。
- Y!mobile…MVNOというかMNOの1つなので当然といえば当然
- UQ mobile…au系の格安SIMで最強最速
- b-mobile…ドコモ回線とソフトバンク回線の両方で速い
- DTI SIM…時々普通程度に落ち込むけどたいてい速い
混雑時間帯に遅くなるのが嫌ならば、上記の格安SIMの中から選ぶといいでしょう。
逆に、昔は速かったりしてその印象や記録が残っているけど2019年現在では遅…速いとは言えない格安SIMと言えば、NifMo、LINEモバイルといったところです。もし楽天モバイルを速いと言ってるサイトがあったら要注意ですよ。たぶん混雑時間帯以外で測定してたり、速いと言わずに「問題ない速さ」のような曖昧な表現にしてると思います。楽天モバイルは、混雑時間帯めっちゃ遅いです。
2. 自分に合ったプランを探そう
格安SIMはプランがたくさんありますが、おおまかに2つのパターンに分かれます。まずは自分の使い方で、どのパターンがあっているのかを考えましょう。
■定額で使えるギガが決まっているタイプ
ほとんどの格安SIMで使われているのが、毎月の使える通信量が決まっていて、毎月同じ料金となるプランです。使えるギガの量によって料金が段階的に用意されています。
定額なので、毎月の料金を計算しやすいメリットがあります。ただし使える量を超えてしまうと低速制限がかかってしまいます。追加のギガを買うこともできますが、大抵は割高です。毎月のデータ使用量があまり変わらない人、安定した料金を求める人におすすめです。
使える通信量は1ヶ月で◯GB、というものがほとんどですが、OCN モバイル ONEには1日で◯MBというプランがあります。これだと毎日制限がリセットされるので気が楽です。
■毎月の使ったギガで料金が決まるタイプ
自分が使ったギガの量によって料金が変わってくるプランもあります。上限はありますが毎月の使えるギガの量を気にせずに使えます。
自分の使った量だけの料金になるので、支払う料金にムダがありません。ただし翌月への繰越などはありません。月によって使うデータ量が変わる人、残りのギガ数を気にしたくない人におすすめです。
3. 価格帯もやっぱり大事
格安SIMの料金は、その名前の通りキャリアに比べて「格安」です。その中でもプランによって価格は様々にあります。自分の予算と相談しながら、価格とプラン内容のバランスを取ることが大事です。
多くのプランではデータ容量によって月額料金が変わり、音声通話SIMの場合はそれにプラス700円程度となります。データ容量と月額料金は、だいたい以下のようになります。(実際は格安SIMによって違うので、かなりアバウトです。)
データ容量 | データのみ | 音声通話SIM |
---|---|---|
3GB | 900円 | 1,600円 |
6GB | 1,500円 | 2,200円 |
10GB | 2,400円 | 3,100円 |
12GB | 2,700円 | 3,400円 |
20GB | 4,000円 | 4,700円 |
30GB | 5,800円 | 6,500円 |
今の格安SIMはどのMVNOを選んでも同じギガ数なら価格はほとんど変わりません。変わったとしても50円とかそんなものです。その中で比較的安いと言えばイオンモバイルやDMMモバイルでしょうか。
UQ mobileとワイモバイルのいわゆるサブブランドは他に比べると少し高めです。3大キャリアと一般MVNOの間くらいの料金ですね。料金に見合うだけの品質や速さもありますから、これは妥当な料金です。ただ、最初の1年だけ安い、というようなプランがあるので、それは注意が必要です。
4. その他のサービス・機能に注目
速度や料金で格安SIMを選ぶ方がほとんどだとは思いますが、それ以外に各社が行っている様々なサービスもチェックしたいところです。
- SNSアプリがカウントフリー
- 通常は高速通信できるデータ量が月に何GBと決まっていますが、LINEモバイルやDMMモバイルでは、LINEやTwitter、Instagramなどを使ったときに残りの使えるデータ容量が減らない(カウントフリー)オプションがあります。
- 音楽・エンタメ系がカウントフリー
- 上のSNSと同様に、OCN モバイル ONEではAmazon MusicやLINE MUSIC、Spotifyなどでデータ容量が減らないオプションがあります。また、BIGLOBEモバイルでは、同様にYouTubeやAbemaTVといったエンタメ系アプリがカウントフリーになります。
- ゲーム系がカウントフリー
- LinksMateでは対象のゲームアプリがカウントフリーとなります。外でゲームをすることが多い人はお得でしょう。対象アプリは限られていますが、続々増えています。
- Wi-Fiスポット
- 全国の施設棟にあるWi-Fiスポットを使える格安SIMも多いです。アクセスポイントの場所や規模、料金は様々ですが、OCN モバイル ONE、BIGLOBEモバイル、UQ mobileなど多くの格安SIMが対応してます。
- 余ったデータ量の繰越・プレゼント
- 月に3GBまでのプランで、2.5GBまでしか使わなかった場合、データ繰越できる格安SIMでは、残った0.5GBを次の月に繰り越し、翌月は3.5GBまで使えるようになります。これも多くの格安SIMで採用されていますが、mineoの場合はうまくやればずっと溜め込んで数十GBに増やせる仕組みがあります。
- 低速モード
- 高速通信する必要がない時、自分の意志で低速モードに切り替えられる格安SIMがあります。この低速モードでの通信はデータ残量を消費しません。これを使ってギガを節約してやりくりできます。
- バーストモード
- 低速通信時に、最初の数秒(150KB程度)だけ高速通信できる機能です。IIJmioやmineoで採用してます。軽いデータなら低速モードでもサクサクに感じます。
タイプ別のおすすめ格安SIM
ここまで書いてきた「速度」「プラン」「料金」「サービス・機能」を総合的に判断して、自分に何が必要なのか、それに合った格安SIMはどれなのかを選んでいくといいでしょう。
やっぱり「格安」SIMというのだから、とにかく安いのが一番ですよね。基本的に今の格安SIMは同じデータ容量であればどこを選んでもほぼ同じような料金になっています。そんな中でも「とにかく安く」を実現するのなら、以下の格安SIMがおすすめです。
動画はデータ量をたくさん消費するので格安SIMで使うのはあまりおすすめしませんが、これらが使い放題となるオプションを提供している格安SIMもあります。
スマホで使う通信の多くがLINEやTwitterなら、それらが高速データ通信にカウントされない格安SIMがおすすめです。LINEやTwitterに使う分のギガをほかに回せますからね。
格安SIMは時間帯によってはひどく遅くなることがあります。お昼などの混雑時間帯でも十分な速度を維持できている格安SIMはこちらです。
格安SIMは「自分で調べられる人」に向いていると言われます。何かあったときにはシェアが高い(利用者の多い)ところなら、トラブル対策の情報もたくさん出てきます。みんな使ってるなら安心感ありますよね。
格安SIMのシェアについては、記事後半の「格安SIMのシェア」にて詳しく書いてますので、そちらも参考に。
格安SIMの速度比較
格安SIMの、実際に出る通信速度はMVNO各社によってだいぶ変わります。これは通信する場所や時間帯にもよるのですが、だいたいの傾向としては同じようなもので、「朝夕の通勤時間帯」「昼休み」という3つの時間帯は通信が混み合って速度が出ません。
orefolderでは月2回、定期的に主要な格安SIMを使って実際に混雑時間帯の速度測定を行って公開しています。最新の結果の一部をここにも掲載しますので、格安SIM選びの参考にしてください。
(4日12時・19時、5日8時・12時の4回実施)
格安SIM (MVNO) の速度測定:2019年7月 その1 大きな動きはなく、ワイモバとb-mobileがいい感じ | orefolder.net
Speedtest.netの測定結果
DOWN | 8時 | 12時 | 18時 |
---|---|---|---|
IIJmio-D | 2.63 | 0.64 | 2.12 |
LINEモバイル-D | 4.43 | 1.32 | 2.69 |
OCNモバイルONE | 5.87 | 1.27 | 6.62 |
BIGLOBE-D | 5.55 | 0.48 | 4.97 |
NifMo | 2.54 | 0.78 | 5.21 |
楽天モバイル-D | 2.23 | 1.14 | 2.01 |
b-mobile-D | 64.72 | 24.20 | 31.50 |
DTI SIM | 20.97 | 4.22 | 5.61 |
nuroモバイル-D | 27.56 | 1.35 | 2.21 |
mineo-D | 1.81 | 0.85 | 2.88 |
UQ mobile | 10.28 | 3.56 | 5.08 |
mineo-A | 2.02 | 0.79 | 4.07 |
IIJmio-A | 1.00 | 0.39 | 0.88 |
BIGLOBE-A | 2.95 | 0.55 | 2.73 |
楽天モバイル-A | 1.39 | 0.38 | 1.37 |
LINEモバイル-A | 6.77 | 1.01 | 3.10 |
nuroモバイル-A | 2.97 | 2.51 | 3.19 |
ワイモバイル | 29.38 | 37.12 | 19.40 |
nuroモバイル-S | 0.92 | 0.60 | 1.39 |
b-mobile-S | 37.32 | 21.54 | 17.20 |
LINEモバイル-S | 2.87 | 1.18 | 1.23 |
mineo-S | 2.60 | 1.42 | 5.78 |
上の速度測定結果は『Speedtest.net』というアプリで行ったものです。これが、別のアプリを使って測定をするとまた違った結果になります。以下は『4Gmark』というアプリでのお昼の時間帯における測定結果です。
4Gmarkの測定結果
POINT | DOWN (Mbps) |
UP (Mbps) |
PING (ms) |
YouTube (s) |
WEB (s) |
|
---|---|---|---|---|---|---|
IIJmio-D | 650 | 0.4 | 10.8 | 108 | TO | 6.23 |
LINEモバイル-D | 110 | 0.2 | 4 | 87 | TO | 9.42 |
OCNモバイルONE | 367 | 0.2 | 6.5 | 69 | TO | 10.62 |
BIGLOBE-D | 124 | 0.5 | 4.3 | 69 | TO | EC |
NifMo | 690 | 0.2 | 11.7 | 77 | TO | 8.36 |
楽天モバイル-D | 662 | 0.7 | 5.5 | 128 | TO | 8.48 |
b-mobile-D | 5426 | 10.6 | 4.8 | 403 | 28.86 | 6.92 |
DTI SIM | 2404 | 1.1 | 7.9 | 34 | 6.86 | 5.89 |
nuroモバイル-D | 328 | 0.3 | 9.7 | 93 | TO | 8.62 |
mineo-D | 715 | 0.1 | 19.2 | TO | TO | TO |
UQ mobile | 849 | 0.9 | 2.4 | TO | 10.03 | 4.57 |
mineo-A | 35 | 0.1 | 2 | 79 | TO | 10.06 |
IIJmio-A | 41 | 0.1 | 1.7 | 583 | TO | 5.73 |
BIGLOBE-A | 87 | 0.9 | 1.6 | 54 | TO | EC |
楽天モバイル-A | 60 | 0.2 | 3.7 | 407 | TO | 12.25 |
LINEモバイル-A | 99 | 0.3 | 2.8 | 113 | TO | 12.98 |
nuroモバイル-A | 778 | 1.6 | 2.9 | 32 | TO | 2.72 |
ワイモバイル | 10699 | 16.5 | 7.3 | 28 | 1.58 | 2.41 |
nuroモバイル-S | 163 | 0.2 | 8.7 | 132 | TO | TO |
b-mobile-S | 1563 | 2.3 | 5 | 138 | TO | 7.18 |
LINEモバイル-S | 616 | 0.8 | 16.3 | 133 | TO | 9.24 |
mineo-S | 274 | 0.3 | 7.2 | 75 | TO | 6.78 |
『Speedtest.net』と『4GMark』でだいぶ差がある格安SIMがあります。4GMarkは通常の速度測定の他に、実際に動画やウェブページを読み込んで、それを結果に反映させます。より実際の使い方に近い方法で測定しているということです。
『Speedtest.net』と『4GMark』のどちらでも速ければ問題ありませんが、片方だけ速いという格安SIMには、少し注意した方がいいでしょう。こういった実際の使用における速さを無視して「○○モバイルは速い」と書いている(しかも混雑のない時間帯での測定で)サイトもありますが、そういったところはちょっと信用できないですね。
なお、この測定に載っていない格安SIMのうち、以下の場合はほとんど中身が同じなのでそれを参考にしてください。
・エキサイトモバイル…IIJmioとほぼ同じ
・イオンモバイルタイプ1…IIJmioとほぼ同じ
・イオンモバイルタイプ2…OCNモバイルONEとほぼ同じ
・ロケットモバイル…nuroモバイルとほぼ同じ
どれくらいの速度が普通なの?
混雑時間帯は速度が落ちてしまいますが、それ以外の時間帯ではどの格安SIMも快適に使用できます。通常の使用であれば3~4Mbps程度出ていれば画像アリのページを見ても大丈夫でしょう。1Mbps以下でもメールなどテキストならなんとかなります。
格安SIMの速度は、常に変化していきます。今速いからといって半年後に同じような速度を維持しているかは分かりません。なので長期的に測定を見て、その中で常に速度が出ている、または一時的に速度が落ちてもすぐに設備増強で対応してくれるMVNOが信頼できると思います。orefolderでは1年以上にわたって測定を行っていますので、そういったことも含めての信頼できる格安SIMをオススメしています。
⇒速度測定の記事一覧 | orefolder.net
格安SIMのシェア
格安SIMを選ぶときの判断基準は今まで書いてきたとおりですが、やっぱり「みんなどの格安SIMを使っているのか」というのも気になりますよね?そういう意味では、格安SIMのシェアを調べるのも1つの手です。
シェアが大きいところの格安SIMを使えば、なにか困ったことがあったときでも、解決策が見つかりやすかったり、相談できる人が多かったりしますからね。
総務省の「平成30年度第3四半期(12月末)電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」によると、キャリアから直接回線の提供を受けているMVNOだけで521もあります。
この資料の中で格安SIMのシェアについても触れられており、トップ5は以下のとおりです。
楽天モバイル…15.9%
IIJmio…14.3%
OCN モバイル ONE…11.6%
mineo…10.4%
BIGLOBEモバイル…5.3%
これにはおそらくUQ mobileとY!mobileは入ってません。また、個人のスマホ向けの格安SIM以外のものも入ってるようです。
別の資料として、MMD研究所の2019年3月格安SIMサービスの利用動向調査によるシェアトップ5は以下になります。
楽天モバイル…25.1%
mineo…12.7%
UQ mobile…10.7%
OCN モバイル ONE…8.4%
IIJmio…6.7%
なお、こちらもY!mobileはキャリアサブブランドとして集計には入ってません。ただ、メインで使用しているサービスという設問では、格安SIMをすべて含めたMVNOが12.3%のところ、Y!mobileは5.2%でした。なのでMVNO全体の4割程度と同等の契約数があるようです。
本当にオススメできる格安SIM
ここまで書いてきた内容から、私が本当にオススメできる格安SIMを6つ紹介します。個人個人の使い方に合わせたものではないので誰にでも当てはまるわけではないのですが、参考にしてください。
- ソフトバンクのサブブランド
- 安定して速く、今後も安心感がある
- スマホとのセットも魅力
Y!mobileはソフトバンクのサブブランドで、一般のMVNOとは違います。しかし安いので格安SIMとして扱われることが多いです。
何と言っても魅力なのは速度。お昼でも、ドコモ回線の格安SIMが1Mbps行くか行かないか、と言っている間にサラッと30Mbpsを超えたりします。
格安SIMは速度が遅いと聞くし、不安が多くある、でも少しでも安くしたい、という人にはかなりオススメです。
購入できるスマホもY!mobile独自のものが多く、Android One端末も取り扱ってます。
回線 | データ繰越 | 速度切替 | かけ放題 | 家族割 |
---|---|---|---|---|
ワイモバイル(SoftBank) | なし | なし | あり | あり |
- ユーザーコミュニティが強い
- 繰り越し可能なパケットギフト
- いざとなればフリータンクから1GBまでもらえる
mineoは「Fun with Fans!」という言葉を掲げる、ユーザー目線に一番近いところで運営しているところです。
繰り越しや節約スイッチなど基本的な機能はもちろんのこと、繰越できるパケットシェアやフリータンクなどほかにはない様々な特徴を持っています。
回線はドコモとau、そしてソフトバンクの主要キャリア3回線すべてがあるので、どのキャリアから移ってきても安心です。
回線 | データ繰越 | 速度切替 | かけ放題 | 家族割 |
---|---|---|---|---|
docomo, au, SoftBank | あり | あり | あり | あり |
- 格安SIMの中で追随を許さない爆速
- スマホとSIMを無料で15日間お試しできる
- 口座振替に対応
- キャリア決済できる
UQ mobileはauの回線を使ったMVNOで、現状で最速・最強とも言われる格安SIMです。料金プランの仕組みもキャリアと似たところがあります。おしゃべりプラン・ぴったりプランなら無料通話が付いて1年目は月額1,980円~となります。
回線 | データ繰越 | 速度切替 | かけ放題 | 家族割 |
---|---|---|---|---|
au | あり | あり | あり | あり |
- ドコモ回線とソフトバンク回線どちらも速い
- データ量で段階的に金額が決まる料金プラン
- 比較的料金は安め
b-mobileは日本通信が運営する格安SIMです。日本通信は日本初のMVNOでもあり、それだけ歴史のある老舗でもあります。
これまでにプランなど何回か変わっていますが、現在はその月に使ったデータ容量によって料金が段階的に変わっていくプランを採用しています。
また、ドコモ回線とソフトバンク回線を取り扱っているのですが、そのどちらも普通の格安SIMよりは速いです。ただ、スマホセットの販売はやっていないので、その点は注意です。
回線 | データ繰越 | 速度切替 | かけ放題 | 家族割 |
---|---|---|---|---|
docomo | なし | なし | あり | なし |
- 月額2円で3GBの半年間お試しプラン
- YouTubeやTwitterが使い放題なプランも
- ほかのドコモ系格安SIMより若干速い
DTI SIMはネット接続サービスの老舗ドリーム・トレイン・インターネットの運営する格安SIMです。普通に「使える」SIMですが、初めての申込なら最初の半年の月額基本料金が2円となるプランを恒常的に設置した初心者に優しい格安SIMです。
格安SIMを使ったことがない人にとっては、格安SIMがどんなものなのかは不安です。いきなりメインを切り替えて、その後で「こんなはずじゃなかった…」というのも怖いものです。
DTI SIMなら半年間かなり格安となるので、まずは現在のスマホ契約とは別にDTI SIMを契約して、数ヶ月は平行して使ってみるというのがいいと思います。速度やサービス内容としてはほかの格安SIMと違う部分もありますが、格安SIMがどういうものなのかは体験できると思います。
格安SIMで重要な速度についても、ワイモバイルやUQ mobileほどでないにしても、ドコモ回線の中では速いほうです。スマホセットがなかったり、あまり目立つ格安SIMではありませんが、十分使えますよ。
回線 | データ繰越 | 速度切替 | かけ放題 | 家族割 |
---|---|---|---|---|
docomo | なし | なし | あり | なし |
- 1日ごとに高速データ通信量が決まった日次プラン
- 音楽系アプリの通信が無料のMUSICカウントフリー
- 新規なら端末セットのセールがお買い得
OCN モバイル ONEはNTTコミュニケーションズの運営する格安SIMです。格安SIMの中でも古株でシェアも高く、多くの人が使っています。
特徴的なのが「日次コース」です。普通は1ヶ月に使えるデータ通信容量が決まっていて、その容量ごとにコース(プラン)があります。OCN モバイル ONEでは、これが1ヶ月だけではなく1日もがあります。使いすぎて低速制限されても、24時を回ればリセットされるのでかなり気楽です。
「MUSICカウントフリー」というオプションも魅力。これは、簡単に言えば対象の音楽配信サービスが聴き放題というものです。(各サービスの利用料は必要。)しかもこれ、無料で使えるオプションなんです。
回線 | データ繰越 | 速度切替 | かけ放題 | 家族割 |
---|---|---|---|---|
docomo | あり | あり | あり | なし |
長かったですが、「今」オススメできる格安SIMを6つ書いてみました。この中から選べばそう公開することはないと思います。
ただ、最終的には自分自身の使い方や好みによって最適な格安SIMは変わってきます。「自分に合った格安SIMの選び方」で書いたようなことを気にしつつ、自分にとっての最高の格安SIMを見つけてください。
もし契約して使ってみて「これはダメだったかなー?」と思っても、大抵の格安SIMは最低利用期間がキャリアに比べると短いです。格安SIMから格安SIMに移動するのも、また面白いものですよ。(それで私のように20枚以上も契約するのはどうかと思いますけどね…。) 格安SIMに関する基礎知識をQ&A形式で簡単に解説します。それぞれの質問をクリックすると答えが開きます。
格安SIMの基礎知識
当サイトでは、本ページ以外でも格安SIMに関する様々な記事を公開しています。ぜひこちらもご覧ください。