SIM CHANGER ⊿、着弾。 が、4回線のSIMを自在に操れず、かなり不安定で敗北、返品予定

昨年8月にクラウドファンディングサイト「MAKUAKE」にて募集開始された「SIM CHANGER ⊿」が届きました。結論から言うと、私の環境ではうまく使うことができませんでした。ネット上の情報を見るとうまく使えている人もいるようですが、同じようにうまくいかない人も多数いるようです。

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4回線のSIMを自在に操れ。

SIM CHANGER ⊿は最大4枚のSIMカードを装着し、スマートフォンとBluetoothで接続し、SIMカードを入れ替えることなく使用するSIMカードを切り替えることができるというものです。スマートフォン側には「ブリッジカード」と呼ばれるSIMカードを挿入し、専用アプリでこのSIMカードの情報を「SIM CHANGER ⊿」に挿入したSIMカードのものに書き換えることで通信可能となります。

当初は3月にお届け予定だったのが、3月下旬に最終試作機が完成し、それが正しく動作しない場合があることがわかったということで延期、5月中に発送予定ということになり、その約束通り5月31日に発送、本日6月1日に出資者へ製品が届き始めました。

ちなみに、届いたのは最初の画像のもので、本体が入っている箱とブリッジカード2枚がそれぞれそのままクッション素材入りの袋に入っているという梱包でした。このため、本体の箱がかなり潰れてしまっている人もいたようです。

SIM CHANGER ⊿ 開封の儀

箱の中身は本体のほか、USBケーブルとクイックマニュアルのみです。

コチラ本体。プラスチックで、けっこう安っぽいです。指紋もそれなりにつきますが、スマホの背面ほどじゃないです。

背面側にLEDが付いており、現在の使用SIMやバッテリー残量を示します。

ちなみに、このSIM CHANGER ⊿は2つの三角がズレてくっついているようなデザインですが、これはこの状態で固定です。私、てっきりこれがスライドしてこのLED部分が隠れて三角柱のような形になるんだと思ってました。このズレはこのままです。動きません。

背面にはSIMトレイがあります。左の2つがnanoSIM、右2つがMicroSIMです。単にトレイのSIM部分の形状が違うだけなので、入れ替えてnanoSIM用トレイを右に入れることもできると思います。試してませんが。

トレイの上にポッチで番号が示されています。これが専用アプリ内でのSIM1からSIM4の番号に対応します。

使ってみよう

では、さっそく使ってみます。

切り替えるためのSIMを本体に挿入

さっそく手持ちのSIMを入れてみました。まぁ4枚程度じゃ全然足りないんですけどね。

ブリッジカード

続いてスマホ側に挿入する「ブリッジカード」です。
私は16,200円コース(税込)で出資したので本体1台+ブリッジカード2枚です。ちなみにこのセットだと一般販売価格は18,000円(税抜)です。

真っ白な中に、黒いSIMです。この状態だと2枚が区別つきません。

写真だとよくわからないかもしれませんが、これはMicroSIMとnanoSIMのマルチサイズSIMになっています。ただ、普通に中央を押し出すとnanoSIMサイズで切り取られるので、MicroSIMで取り出すのは難しいかもしれません。

青と白2つのSIMカードがあります。かたほうはAndroid用で片方はiOS用です。どちらがどちらなのか分かりませんでしたが、オンラインマニュアルを読むと青(BRG-Aと書かれている)がAndroid用、白(BRG-Iと書かれている)がiOS用でした。

カード台紙が少し厚めで、普段のキャリアやMVNOのSIMとはちょっと感触が違うのが印象的でした。まぁ普通のSIMと違いますしね。

専用アプリを起動

マニュアルにもQRコードがありますが、ストアから専用アプリをインストールします。

Google playSIM CHANGER ⊿
SIM CHANGER ⊿
制作: Cerevo Inc.
評価: NaN / 5段階中
価格: 無料 (2017/6/1 時点)

ダウンロードposted by: AndroidHTML v3.0

もちろんiOS用もあります。

なかなかサイバーな雰囲気のアプリ画面です。本体の形もそうですが、まぁ厨二病的ですよね。

「デバイスの設定をしてください」と出ているので、スマホのBluetoothをオンにしておき、「SELECT」をタップしてブリッジカードとデバイス(SIM CHANGER ⊿)を選択(接続)します。

ブリッジカードと機器と接続できると準備完了。あとは繋ぎたいSIMをタップし、接続します。このスロット番号はiOS版のアプリだと名前変更が可能で、Android版もアップデートで対応予定とのことです。(現状はどのスロットにどのSIMが入っていたかは自分で覚えておく必要があります。)

これで通信可能に…なる前にもう1つやることがあります。

アンテナピクトが立ったあとにAPNの設定を行います。アンテナピクトが立つ前だとAPNを選ぶ事ができませんが、立った後はそのSIMで設定していたAPNリストが表示されます。

この時、一番上のものが選択済みになっていました。私の場合はnuroモバイルとLINEモバイルのものが登録してあり、SIM CHANGER ⊿に入れたのはLINEモバイルです。nuroモバイルがなければ、自動でLINEモバイルが選択されたのかもしれません。また、端末再起動して再接続する際も、先に接続したものが選択済みになっていました。なのでこれは初回のみの作業だと思います。

とにかく、APNさえ設定すれば、これでようやく通信可能になります。この状態で電話の発信や受信もOKです。

SIMカードを切り替え

「4回線のSIMを自在に操れ」というのがキャッチコピーなので、ほかのSIMに切り替えてみます。

まずは専用アプリから、現在接続しているSIMを解除します。そして別のSIMを選択肢てそちらと接続すれば…切り替わるはずです。

…が、私の環境ではこれがうまくいきませんでした。1つの接続を解除するとブリッジカードやデバイスの接続も切れてしまうのですが、その後それらに接続できなくなってしまいました。端末を再起動するまでダメです。また、端末を再起動すると接続は全部切れるので、また最初からやり直しです。

また、別の端末で試したときにはそもそも最初の接続もうまく行かず、Bluetoothの接続が切れては繋がりを繰り返したりもしました。

SIMの切り替えができないのであれば、SIM1枚のルーターと変わりません。その後、再起動なども試しているのですが、完全におなじになるわけではなく、その時によって微妙に動作が異なったりします。ちゃんと接続できることのほうが少ないくらいです。うまく切り替えられたことは1回もなし。

iOSの場合

iOSの場合はもっとひどかったです。まぁ、動作確認済の端末はiPhone 6からで、私はiPhone 5で試したのでそのせいなのかもしれません。

まずブリッジカードが認識されません。Android用のBRG-Aは表示されるのに、BRG-Iが出てきません。(Android機でもBRG-Iは表示されません。)ちなみにこのBRG-Aとは接続できますが、このiPhoneに入ってるわけではないので、当然通信できるようにはなりません。

また、Androidでは使うSIMを切り替える時にAPNも切り替えるということでしたが、iOS(でMVNOを使う場合)は切り替えるたびにプロファイルを削除→インストールしなければならないようです。
これは…かなり面倒では…?

まぁ、私の環境ではBRG-Iが認識されなかったので実際には使えてないのですが…。認識さえすれば、使えるようになる感じ。

(少なくとも私の場合は)使えない

そんなわけで、私は使うことができませんでした。ただ、ネット上の反応を見ていると、使える人もいて使えない人もいて、けっこう分かれているようです。個体差なのか、使ってる端末次第なのか、なんなのか。これがクラウドファンディングの怖さ…なんですかね?

他の人の症状では、そもそもSIMトレイの作りが雑でSIMがうまく入らないというのもあるようです。また、おサイフケータイはSIMに紐付いているからか、NFCペイメントは使えなかったという書き込みもありました。(これは不具合ではなく仕様なんでしょう。)


自分には意味のない箱になってしまったので、ラクマで売ろうかとも思ったのですが、そもそもBRG-Iを認識しないとか不良品っぽいので、それを売ってしまっても問題が増えるだけな気がします。

が、先日の発送のお知らせをよく読むと、返品も受け付けているようです。

また、どうしてもお使いの機種・既存アプリの組み合わせで安定動作しないという場合は、返金での対応も承ります。返金をご希望の方は、お手数ですがお問い合わせフォームからご連絡をお願いいたします。
4回線のSIMを自在に操れ。通信回線切替デバイス『SIM CHANGERデルタ』 実行者の活動レポート コミュニケーション | クラウドファンディング – Makuake(マクアケ)

まさに安定動作しないので、とりあえずお問い合わせフォームから問い合わせて返金してもらおうかと思っています。

まぁ、元々私にとってどんな使い方ができるのかというのは未知でした。そもそもデュアルSIM端末で2枚でもいいんじゃないか、ルーターでも十分じゃ?4枚のSIM使うならスマホ4台持ち歩けばいいじゃないか、というのもあるんですよね。

せめて普通に使えたのであれば(自分に使いみちがなくても)良かったのですが、今回の結果は残念でした。まぁ普通に使えている人もいるので、運が悪かったですね。また次に期待です。

というか、さんざん遅れた末に品質がかなり悪かったというiina-いのべのマグネットケーブルといい、なんだかMAKUAKEはこんなんばっかりなイメージです。やっぱり駄目なのかなぁ…。

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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